海外技術調査報告

人工知能における新パラダイム等に関する調査


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調査者

RWCP TRC 情報統合研究室 金田 泰

調査期間

1994 年 1 月 4 日 〜 12 日.

調査機関または参加学会

a. 国際学会 HICSS-27 (27th Hawaii International Conference on System Sciences).
b. ハワイ大学

調査目的

意志決定支援システムや知識ベース・システムなどの人工知能技 術とくにあたらしいパラダイムの調査をおこなうとともに,研究 発表・討論をおこなう.

調査内容

a. HICSS-27

この学会はハードウェアからソフトウェア,AI などにおよぶさま ざまなコンピュータ・システムに関する学会であり,一般講演と ともにチュートリアル,全体講演がおこなわれた.(i) Architecture Track, (ii) Biotechnology Computing Track, (iii) Information Systems Track, (iv) Software Technology Track の 4 部門から構成された一般 講演のうち,(iii) のなかの Decision Support and Knowledge-Based Systems Subtrack において発表・聴講し,さらに (ii) の一部を聴講 した.報告者は ``Stochastic Problems Solving by Local Computation Based on Self-Organization Paradigm'' という題で発表し,ユニーク なアプローチであるという評価をえた.他の発表のなかには, Case-Based Reasoning によるスケジューリング問題の解法に関す る発表 (CMU の K. Sycara and K. Miyashita),グラフを拡張して階 層をとりいれた Metagraph, Higraph などに関する発表 (セッション DSS11),ファジー,ニューロなどさまざまなアプローチによる時 系列予測などをおこなうシステムに関する発表 (DSS16) などが比 較的重要だとかんがえられる.

b. ハワイ大学

Department of Psychology に所属する Professor Herbert Roitblat に面会 して調査をおこなった.Roitblat はイルカの神経系のモデルとして feed-forward のニューラル・ネットをつかい,イルカの行動を研究 している.イルカが環境を識別するための行動のシミュレーショ ンを実演を見学した.また,報告者が提案している CCM (Chemical Casting Model) と,それによる巡回セールスマン問題 (TSP) の解法 について討論した.とくに,CCM で TSP をとこうとしても巡路の 交叉をとることができないという問題点に興味をもたれたので, 詳細に説明した.
Y. Kanada (Send comments to kanada@trc.rwcp.or.jp)