Path: trc.rwcp!rwc-tyo!news.iij.ad.jp!sonyinet!sonygw2!atg2gw!csdnews.sm.sony!wnoc-tyo-news!news.u-tokyo.ac.jp!news.tisn.ad.jp!riksun!saho!rcnpvx!ymizuno From: ymizuno@rcnpvx.rcnp.osaka-u.ac.jp Newsgroups: tnn.disasters.earthquake,fj.misc.earthquake Subject: Re: [G-BRAIN 2107] InterVnet Message-ID: <1995Feb20.072509.3290@rcnpvx.rcnp.osaka-u.ac.jp> Date: 20 Feb 95 07:25:09 +0900 References: <3hsa47$f7b@cotton.iij.ad.jp> Organization: Research Center for Nuclear Physics, Osaka Univ., Japan Lines: 70 Xref: trc.rwcp tnn.disasters.earthquake:449 fj.misc.earthquake:1246 水野@阪大(のボランティア)です。 最近のボランティアネットワークの大きな出来事の一つとして,InterVnet の 提案が注目されています.このNGでの記事としては: In article <3hsa47$f7b@cotton.iij.ad.jp>, junko@amulet.co.jp (Junko Yoshimura) writes: > 震災被災者を支援するインターVネット > 1995年 2月15日 ..... > 復興を効果的に支援するために、情報と人のネットワークの構築が急がれます。 > 私たちはインターネットをベースにパソコン通信をつなぎ、情報が交換され、 > さまざまなボランティアによる支援ネットワークが自発的に形成される情報環 > 境を作るための構想を提案します。どうぞ、ご協力ください。 InterVnet というのは,既存のnetwork利用者(利用組織)に対する支援組織の ようなもの,と理解できます。ですからたとえば,NiftyServe というnetworkが その情報交換の中核的受け皿となっている,インターボランティア・ネットワー ク(これは IVN と略称され InterVnet とば兄弟ですが別の性格のものです)よ りも,さらに広い概念を組織的に手続き化するための,技術的枠組みだと理解で きます。いままでも勿論,人手とかその人の適切な判断を介して,適切な記事の 相互紹介をして戴いたり,転載されたり,してきました。これを,手続き化する ことによって,情報の流れの効率化をはかろうということだと思います。 #間違っていたら指摘と訂正を,お願いします。 すなわち,InterVnet という支援組織は,Internetと大小各種のパソコン通信網 までを直結するための,その組織的受け皿を提供するものだと理解できると思い ます。このような汎組織的な組織ネットワークは,うまく使えれば,これによっ てさらに既存の活動と情報交換の効率が上がることが期待されます。 これを作るという発表を,2/15にされた金子先生(慶応大,ネットワークコー ディネーター)や組織代表の平田さん(関西NGO協議会)らのご努力はすばらし いと思います(2/16の新聞各紙も参照)。 しかしこれを,既存のパソコン通信がどのように利用するか,また,既存の活動 をすでに長期間(何年もの経験を経て)行っているNGO/NPO が,このような,概 念的にも新しい枠組みをどうやって利用できていくだろうか,という中身の問題 は,まだまだ,今後の課題だと思います. さらに言うと,今後は,日本の NGO/NPO も,Internet address を持って,世界 に直結するようになる可能性があります。海外のNGOの中には,すでにInternet を持っているところもあるそうです.Internet とのgateway を持つパソコン通 信をすでに持っているところもあるでしょう。しかし現状の日本では,まだまだ 海外からの問い合せにもなかなか答えられていません。 #今どうなっているかというと,私の周りでは,大学や研究機関の network #manager のようなところに,例えば突然アメリカの幼稚園の先生から神戸の #幼稚園との交流の申し込があって,大学の先生がうろうろする,というのが #現状なのです。 人と人の出会いから始まって,電話,FAX,コンピュータネットワーク,そして マスコミに至るまで,いろいろな特徴を持つ情報交換や意見交換の手段を,今 回の大震災復興の大事業にも有効に利用できれば,素晴らしいのではないで しょうか? InterVnet は,そのすべての概念を繋ぐ事が,原理的には可能となる,広義の 福祉活動のための国際的な枠組み,であるといっていいでしょう。 #これも間違っていたら,指摘,訂正をお願いします。 今回の InterVnet の思想的背景としては,私としては次の本を紹介します: 今井,金子著「ネットワーク組織論」(岩波,1988) これはなかなか刺激的な本です。しかし最近のもっと適当な文献もあると思い ますので,ご存知の方は紹介して下さい。 とにかく,せっかく作っていただいた InterVnet ですから,今後これをどのよ うに活用していくかは,今後の課題だとして受け止めたいと思います。それは, NetNewsやパソコン通信のメンバーだけでなく,今後のNGO/NPOの情報化の過程 に伴って,今後の課題ともなって来ているように思います。