Path: trc.rwcp!rwc-tyo!news.iij.ad.jp!sonyinet!sonygw2!atg2gw!csdnews.sm.sony!wnoc-tyo-news!news.u-tokyo.ac.jp!news.tisn.ad.jp!riksun!saho!rcnpvx!ymizuno From: ymizuno@rcnpvx.rcnp.osaka-u.ac.jp Newsgroups: fj.misc.earthquake,tnn.disasters.earthquake Subject: Re: internet volunteer Message-ID: <1995Mar1.221529.3354@rcnpvx.rcnp.osaka-u.ac.jp> Date: 1 Mar 95 22:15:29 +0900 References: <950223004851.M0116075@gel.marine.osakafu-u.ac.jp> Organization: Research Center for Nuclear Physics, Osaka Univ., Japan Lines: 123 Xref: trc.rwcp fj.misc.earthquake:1480 tnn.disasters.earthquake:477 水野@阪大(のボランティア)です。 In article <950223004851.M0116075@gel.marine.osakafu-u.ac.jp>, masaoka@gel.marine.osakafu-u.ac.jp (Kouji Masaoka) writes: > 正岡@大阪府立大学です。 .... > > ところで、非常に初歩的な質問で申し訳ないのですが、 > 水野さん@阪大が投稿されている大阪YMCAのインターネットによるボランティアと > インターネットボランティアネットワークはどのような関係にあるのでしょうか。 返事がおくれて,失礼しました.以下のものでお答えになっているかどうか, 判りませんが,多くの方の疑問でもあるかと思い,ひとこと,投稿します. #ひとことでいうと,インターボランティアネットワーク(IVN,Niftyが中心) #とは,直接の共同作業はありません。情報はML参加者を通して各方面のかたに #流れてます。今後は透明な InterVnet の仕組みを通して,より多くの方々と #共有する情報や議論がどんどん生まれるでしょう。...という感じでしょうか。 #以下,適当に長文です。 まず,ボランティア団体といっても色々あって,夜警,物流の仕分けと配達, 炊き出し,ニュース集配,医療,建設,住宅,教育,遊びによる子供のケア, に始まって,果ては行政そのもの(他の自治体による応援)に至るまで,あり とあらゆる仕事が,勿論いまでも,そして今後も長期に,大量にあるわけです. それぞれのボランティア団体が,それぞれに若いパワーを活かして,あるいは 職業上の高度の専門性を活かして,既存の行政の規模ではカバー出来ない所を, 日夜分担しているわけです。 既存の行政では,まず定量的に,数が足りるわけがない。それから定性的にも, 対応が難しい種類の仕事が,これも膨大にあります.この辺はいま日本中がよ く知っている通りです。行政には行政本来の仕事があります.今問題になって いるのは,行政がまったく想定していなかった仕事ですから,対応できないの は,いわば当然なのです.従ってボランティア団体には,行政の仕事をよく分 析して,それを的確に補って行くという,大きな使命があると言っても,過言 ではありません. これらの仕事を主に担当しているのは,現在大小あわせて400団体もの,現 地に入っている NGO/NPO団体(ボランティア団体)です。即席,臨時の団体の 数はもう判らない位あるでしょうか.NGO/NPO団体の数は,神戸市だけでも 120団体あります.これら神戸市の団体の横の連絡の話は,もう1月28日 ころに提案されて,地元NGO救援連絡会議,という組織名で,神戸市の毎日新 聞社(神戸支局)に事務所を置いて活動している,といった具合です。(これ らは,新聞報道のとおりです)。 さてそのなかの情報集配のある部分には,Nifty を中心とするパソコン通信の 方々が自主的に担当されている部分もあります.このグループが「インター ボランティア・ネットワーク」と,自らを呼んでおられると思います。(この 略称が IVN ですか.)ものすごいパワーで情報収集に大活躍ですね.この NetNews 上では,「ニュース!」等でよく拝見します。2/3ころに発足でしたか。 #間違っていたら,教えて下さい. そしていわばIVNとは別に,もっと汎組織的な概念で,技術的にはInternetと パソコン通信をつなげる(具体的には,Internet上の同じ記事が複数のBBSに も流れる,逆にも流れる)ためのものとして,2/15にInterVnet が,発足して います。こちらは,日本語では インターV と略称される,というのでいいで しょうか? > 関係者の方々?。 ここまではよろしいでしょうか? さて,Internetを利用するボランティアの一人として私(を含めて複数の大学 や研究機関のスタッフや大学院生)が当初お手伝いできると思ったのは,情報 の集約点であるこれらのボランティア団体が,Internetを利用できないだろう か?ということでした.それで,たまたま大阪YMCAで,そういう後方支援を始 めました.次にわかってきたことは,いままでほとんど独立に活動してきた多 数のボランティア団体の相互間の連絡の必要性です.さらには,これらのボラ ンティア団体と外部の協力者の間をつなぐもの(ここの部分の情報の流れ)の 欠落,そしてこれらの組織と,Kobe-quake に関心を持って見つめる世界の人々 を相互に結び合わせることの必要性(やはり日本のNGOも Internet くらいは 欲しい...),といったことでした. そしてやり始めたことは,これらの組織の情報化,情報武装化によって,何か 新しいものが生まれないだろうか,というその辺りのことです。これによって, ひょっとしたら,それぞれの団体が持つ地域性や専門性を,より効果的に発揮 できるかもしれないと考えられるわけです。そのためには,我々が日常的に 使っているInternetに,団体とか組織のレベルで参加して戴く必要があります. しかしながら,現場に近い組織ほど多忙を極め,その仕事に忙殺されつつある という現実があります.その日々の中で,なおかつ現場の責任者が,そのよう な情報化・情報武装化に興味を示すだけの広い視点と,心の余裕のようなもの が必要です.現実には,そんな「暇」がないところもあります。それから次に, 組織が持つ,自分達の専門性を活かした日常活動(これは,まったくさまざま ありますが)に,このような情報化が使えることが,その組織それぞれに,現 場の人間によって,具体的に認識される必要があります。そしてこのどちらも, 簡単なことではありません。しかし,自主的に動けて,小回りがきくボラン ティア団体ならば,これが可能になるかもしれません。 たまたま大阪YMCA では,Internetの利用にも非常に興味をもって,ふだんから 勉強されていたので,話が早かった,というわけです。 ですから,InterVnetの発想と多少似た所があるのでしょう。我々はInternet の利用が中心ですが,InterVnetで接続可能な多くの組織系から見れば,その 中の NGO-net とでもいうべきネットワークの構築を,我々は始めていることに なっている,という位置付けも出来るかもしれません。#大袈裟な...。 そもそも,多くの方が感じた様に我々も,Internetで何かできないか,という ことで,大阪大学の下條先生と after-5 のボランティアとして始めただけで す。大阪YMCAはたまたま,後方支援の基地のひとつとして,そのような可能性 に興味を示してくれています.それで,Internet利用の実験的,実践的活動が 継続できています。まあ,このようなこともきっかけの一つとなって,今回の 震災復興の大事業において,様々なNGO/NPO団体の相互連絡が,より広域的, 効率的に出来るようになれば,素晴らしいと思います。 また中長期的には,今後の行政がNGO/NPO団体と協力して,NGO/NPOに一部の業 務依託をしながら,今後の復興事業を進めて行く可能性もあります。ここにお いても,このようなNGO/NPOの情報化は,何らかのお役に立てるかも知れません。 以前,外務省の方の新聞投稿(外務省民間援助支援室長の五月女さんによる) を紹介しましたが,このような Moral Support も受けながら,精一杯自主的 に活動できることが,ボランティア活動の原点として,大切だと思います。 以上,ご参考までに。 p.s. #我々は現在では,大阪と西宮という2ヶ所から,具体的な活動を始めており #ます.この活動に興味があるかたは,ngo@center.osaka-u.ac.jp #までご連絡下さい.特に平日に手伝える方。次は神戸とも結びます。 #転載など,必要ならばご自由にどうぞ。