From: junko@amulet.co.jp (Junko Yoshimura)
Newsgroups: tnn.interv.info
Subject: VCOM NewsLetter No.5
Date: 29 Jun 1995 15:30:09 +0900
Organization: -
Distribution: tnn
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                  VCOMニュースレター Vol.1 No.5
                           29 June 1995


 前回のニュースレターではVCOMの概要について説明いたしました。沢山の方
から関心を示していただき有難うございました。前回の時点では「金子研究室
のプロジェクト」という位置づけでしたが、6月14日に慶応義塾大学SFC研
究コンソーシウム協議会が開かれ、VCOMが『SFC研究コンソーシウムのプロジェ
クト』として正式に認定されました。

  今回はインターVネットとVCOMの関係について、また、VCOMに参加すること
に関する基本的なルールを説明します。VCOMの初年度の活動計画や参加規則の
詳細は9月はじめに発表する予定です。

☆「インターVネットの利用」と「VCOMへの参加」

 VCOMは慶応大学SFC研究コンソーシウムの研究プロジェクトで、二つの顔を
持っています。ひとつは、インターVネットを広く一般に利用していただくメ
ディアとして提供するというシステム運営者の顔で、もうひとつは、インター
Vネットのいちユーザとして多様な社会を構築を目指したさまざまな「情報コ
ミュニティ」作りを試みようという実験者の顔です。

 ご承知のように、インターVネットは(インターネットないしパソコン通信
にアクセスできる人なら)誰でも利用できるオープンメディアです。一方、
VCOMは一定の目的を持ち、慶応大学の諸規則や共同研究実施についての制度に
則り、独自の組織と資金調達の仕組みを備えた私的なプロジェクトですから、
VCOMへの参加者はおのずと限定されます。具体的には、VCOMが依頼した、ない
し、慶応大学などと契約をかわした特定の団体にVCOMへ参加していただくこと
になります。

☆オープンで透明でフリーなメディア

 発足時にインターVネットは「オープンで透明」なメディアを目指すと宣言
しました。その原則はVCOMでも踏襲されます。

 インターVネットはなるべく広い範囲のコンピュータユーザが利用できるメ
ディアを目指します。そのために、商用BBSだけでなくさまざまな草の根BBSと
の接続にも力を入れてゆきます。インターVネットでどのような情報を扱うか
はこれから試行錯誤のなかで決めて行きますが、基本的にはインターネットの
原則にしたがって、VCOMは(形式的な必要性を満たすこと以外で)投稿を規制
したり、内容を規制することはしません。さらに、インターVネットは特別な
アクセス料金は課しません(もちろん、インターネットやパソコン通信を利用
するための利用料金や通信費などは別です)。
 つまり、インターVネットは「オープンで透明でフリー(無料)」なメディ
アを目指すということです。各パソコン通信からインターVネットへのアクセ
ス方法についてはこのVCOM事務局までお問い合わせください。事務局の連絡先
はこの記事の最後にあります。

☆運営委員、アドバイザー、事務局

 VCOMの運営体制は、運営委員、アドバイザー、事務局からなります。
  運営委員会は、初年度は前回発表されたメンバーで構成されるものとして、
特別な事情がないかぎり変更はしません。アドバイザリーボードのメンバーは
運営委員会が依頼したもので、運営委員会が必要と認めれば随時変更できるこ
ととします。事務局は運営委員会が契約に基づいて編集工学研究所に業務委託
します。 

☆インターVネットの運営

 VCOMの研究活動のうちインターVネットの運営者というひとつ目の顔につい
ては、次のような体制で臨みます。

 インターVネットのホストシステムの維持と管理には運営委員会が任命する
システム運用チームがあたります。BBS協議会は運営委員会が依頼した商用BBS
を、AUP協議会は運営委員会が依頼した個人を、それぞれメンバーとします。
両協議会のメンバーは、運営委員会が必要と認めれば随時変更できるものとし
ます。
 7月初旬に新設される予定のユーザー会議室は、インターVネットの会議室
として設置されるもので、インターVネットという広く情報を共有できるイン
フラを、どのような目的で使っていけばよいかを議論するところです。ユーザー
のみなさんからご意見をいただくだけでなく、運営側からも代表を出して議論
します。
  そこで大筋の結論が得られれば、BBS協議会によってBBS各社の技術面
からのチェック、各社方針とのすりあわせを行ない、AUP協議会によって、
マナーの面のチェックなどインターVネットの方針とのすりあわせを行なった
後、運営委員会で承認し、インターVネットの運営に反映させていきます。
  くりかえしになりますが、決定は運営委員会が行います。しかしそれは、ユー
ザーのみなさんと議論を尽くした後であることが必要です。そのためにユーザー
会議室を設置します。

☆シンポジウム

 詳細は未定ですが、適当な時期にVCOMシンポジウムを開催する予定です。一
般公募によって参加者を募る予定です。時期や参加方法などについては追って
お知らせします。

☆ケースプロジェクトへの参加

 VCOMの二つ目の顔はケースプロジェクトの実施です。ケースプロジェクトの
多くは、VCOMから依頼されたNGO、NPO、ボランティアグループ、企業、自治体
などが共同研究者としてVCOMに参加することで実施されます。初年度において
VCOMのケースプロジェクトとしてどのような内容のものが実施されるか、その
それぞれについてどんな団体との共同研究で、誰が実施責任者になるかなど、
ケースプロジェクトの詳細は、VCOMのその他の事項の詳細とともに9月上旬ま
でに確定してこの場で発表する予定です。

  現在のところお伝えできる概要は以下のとおりです。ケースプロジェクトや
個人参加について、9月までは十分にお答えできない可能性もありますが、今
の段階でもし御質問があれば、VCOMの問い合わせメールアドレス
(recpt@vcom.seuhiro.nakano.tokyo.jp)までメールを下さるか、VCOM事務局
まで御連絡ください。

 ケースプロジェクトを実施する共同研究者は、原則としてリーダー(プロジェ
クト実施責任者)を持つ団体ないしグループとします。個人としてVCOMのケー
スプロジェクトに参加するのは、それぞれのプロジェクトの実施責任者がその
人を実施チームの一員として必要と認めた場合に限られます。
 あるプロジェクトが「VCOMのケースプロジェクト」として提案される経路は
いくつかあるでしょう。本来なら、一般公募のような形をとって広くアイディ
アを募りたいのですが、VCOMの現在の実力(スタッフの体制や財政基盤)は極
めて限られているので、そのようなオープンな形をとることはできません。
  VCOMの運営委員、ないし、運営委員と個人的コンタクトのある人に相談して
実施可能性が高く、かつ成果の上がりそうなものをケースプロジェクトとして
立てるということになるでしょう。いずれにせよ、正式に「VCOMのケースプロ
ジェクト」として扱われるにはVCOMの運営委員会によって認定されることが必
要です。現在までに、いくつかのケースプロジェクトが暫定的にスタートして
います。

 運営委員会がケースプロジェクトを認定するのは、基本的には以下のような
条件が整っている場合です。

・VCOMの主旨に合致している
・対象分野や内容についてVCOMの他のケースプロジェクトとのバランスがとれ
  ている
・プロジェクトを実施するチームが存在し、プロジェクトの実施責任者がいる
・具体的な成果が期待されるに十分な実施計画が示されている
・プロジェクトを実施するのに必要な財源があり、費用負担についてVCOMと合
  意がとれている

 VCOMのケースプロジェクトとして認定されると、プロジェクト実施のために
必要なインターVネットの会議室の設置、メーリングリスト、インターネット
のサブドメイン、インターネットへのダイヤルアップ接続アカウントなど、
VCOMからある程度の支援サービスが提供されます。プロジェクト実施のための
財源については、原則としてプロジェクトの実施責任者が自前で調達するもの
としますが、場合によってはVCOMがある程度の費用負担をすることもあります。
 プロジェクトの実施については、リソースの配分や実施チームの構成員の選
定など全体のマネジメントはすべて実施責任者がVCOM運営委員会と相談しなが
ら行なうことになります。

☆資金提供を伴うVCOMへの参加

 企業や自治体は、資金面で研究支援をする、または委託研究の発注をするこ
とによってもVCOMに「参加する」ことができます。これは、上で定めたような、
ケースプロジェクトの実施チームとして共同研究をするというのとは違う形で
の「参加」です。われわれとしては、実際の作業を共同して行なうだけでなく、
VCOMを資金面で支援していただくことも重要な参加の一形態であると考えてい
ます。
 このような形で企業や自治体がVCOMに参加するには、例えば慶応大学SFCが
運営する研究コンソーシウムのメンバーとなるなど、一定の方針にしたがって
慶応大学などと正規な契約をかわすことになります。詳しくはVCOM事務局まで
お問い合わせください。

☆VCOM事務局
編集工学研究所 担当:森川美鈴(KYH00401@niftyserve.or.jp)
〒153  目黒区青葉台1-4-7-101
電話03-3780-0800 fax03-3780-0900

VCOM問い合わせメールアドレス
recpt@vcom.suehiro.nakano.tokyo.jp

以上