(メーカーの立場から) 震災ネットの思い出 (1)-(5) --- Path: inetnews.niftyserve.or.jp!news.iij.ad.jp!tyo-noc-news!jh1ynw!shiro!claris!xeroc!ykgw!yhqfm!spin-hsd0-tky!newssv1!news From: QCT40196@pcvan.or.jp Newsgroups: tnn.interv.corp Subject: $@!J%a!<%+!<$NN)>l$+$i!K?L:R%M%C%H$N;W$$=P!J#1!K!!!!(J Message-ID: Date: 11 Jun 95 10:22:47 GMT Sender: news@newssv1.pcvan.or.jp (NetNews System) Organization: PC-VAN, Japan. Lines: 152 Nntp-Posting-Host: isd-gw **皆様からのお便りボードからの転載です 今回の「J JISIN」を陰で見守ってきたコンピュータメーカの者です。 (ドラエもんで時々登場しておりました) まだまだ避難所には多くの方がおられますが、最近神戸にいったおり、多少なり とも明るさを感じ、今回の大地震を振り返り、私の手記をUPしておきますので 今後の災害対策も含め、    Human−Network−Communication を育んでいく上で活かされたいと思いました。 このUPは、6月10日朝日新聞の第一面記事「パソコン通信 震災後に急増」 をみてふと思い立ちました。 ********************* ここから *************************************** 私は大阪府枚方市に住んでおります。1月17日駅のホームで大地震を身近に体 験しました。大阪城近くの会社にでてテレビをみると、兵庫方面はものすごい火 災と被害、死者はどんどん増えていっておりました。 私の会社も神戸支社やお客様もかなりの被害を受け、なにか自分にできることな いかと思いきや、1月27日夜遅く本社のある支配人から電話が入りました。 「国からの要請で、すぐにパソコン通信システム(震災ネット)をたちあげるか ら、神戸の現地対策本部にいってくれ」という内容でした。 自宅にすぐ戻り、女房に「しばらく大変だから」と云い残し、翌朝、リュックに 携帯パソコンつめこんで出かけました。以降、東京との連携のもと、現地側の SI(System Integration)窓口役をメーカーの立場でやってきました。 この手記は、1月17日からの出来事を社内フォーラムにUPしてきたものです。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 1月17日 SOS:近畿地方 地震発生 びっくりしたな〜    今朝未明近畿地方で地震発生! このメッセージをUPしかかった7時45分頃 にまた大揺れ、ビックリしたなあ。実は今朝東京出張で、5時起きで京都に近い 京阪電車駅で電車を待っていたところ、ホームがグラグラと大揺れしました。 電車がこちらへ向かってきたのですが、遠くで火花が散って電車がとまりました。 しかたなく家に引き返し、「会議に出席できず」の電子メールをいれ、今自宅待 機中。 実は、山梨大学附属小学校への地域の風土文化のメッセージで「ここ大阪府枚方 市は地震は殆どなく…」と伝えたばかり、早速訂正せねば。 各地で火災、家屋倒壊が出ている模様、 被災者の方へ 心より お見舞い申し上げます。 しかし、相模原方面から心配のメールがきたり、電話したくてもBUSYで通じ ない状況の中で、こちらからの電子メールやフォーラムUPはすんなり。昔モー ルス信号でSOSを発信したタイタニック号沈没を思いだしながら、  … 改 め て そ の 威 力 を 実 感 し て お り ま す。 以上 大阪府枚方放送局より ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 1月18日 地震 被災者のことを思うと       昨日 早朝 京阪の駅で地震に遭遇し 10時頃 会社へでかけ 殆ど出社していない TELもBUSYでつながらない 3時頃帰宅し ニュースみると ひどい惨事 夜になっても まだやまず 今朝も余震がありました 今日 皆 どんな顔をして 出社するだろうか 西宮、神戸、淡路島方面の被災者の方へ なにかお手伝いすること あれば すぐにでも 飛んでいきたい そんな心境です 以上 大阪府枚方放送局(ここは無事です) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 1月19日 小学生へのインターネット訂正メッセージ      以下のメッセージを追加送付致しました。 「山梨大学附属小学校から全国のインターネットユーザーの方へのお願い」 を受信し、数日前に貴校へメッセージを送った者です。 ここ大阪府枚方市は地震は皆無で大変住み易い…という情報を送ったのですが、 大きく訂正しなければならないようです。 実は、17日東京出張の未明、5時47分の京阪電車(大阪と京都を結ぶ私鉄) を待っていた駅のホームでものすごく大きな揺れに遭遇したことから大惨事が始 まりました。ホームへ向かってきた電車はとまり、運転再開は不明、家に戻り 「交通手段なし、今日の会議には出席できず」の電子メールをいれようとした矢 先、大きな余震が襲い、あわててパソコンの電源をきった程でした。 その後の状況は新聞やテレビが報じたとおり、以前、コンピュータの導入でお手 伝いしていた神戸のお客様は、コンピュータがひっくりかえったり、工場が半分 も焼けてしまったところがあるようです。でも、そんなことより、尊い3000 名余にものぼる人命が失われ、今も行方不明の方が多くおられることに深い悲し みを感じております。 18日大阪城近くの会社に出てみると、神戸の実家に帰省していた社員が「家族 の安全を見届けて、途中30Kも歩いてきた」という話、家をなくし、いまだに 出社できない社員、心痛あまりあるものを感じます。つい先ほど兵庫の親戚から 「無事だ」という電話が入りましたが、悲しみの中にちょっぴりうれしさが…、 でもこんな言葉は出してはいけないつらさがありますね。もう1件の親戚とは電 話も通じない音信不通の状況が続いているからです。 被災者の方々に対し、皆様とともに深くお見舞い申し上げたいと思い、このメー ルを送っております。献血や生活物資など、できる限りのことをしてあげましよ う。そして、なんのすべもなく亡くなられた方々のために、皆さん達がこれから なすべきことは、  ・1日1日を大切に生きて下さい  ・物語や小説をたくさん読んで、   素直に喜怒哀楽があらわせる人間になって下さい  ・人を思いやる心を育んで下さい、いじめはダメですよ  ・親孝行をうんとしてあげて下さい  ・うんと勉強して下さい、耐震科学技術がいいなあ  ・高度な文明社会の中で、いつも自然に優しく  *そして私自身は。混乱の中でなかなか通じなかった電話だったのですが、   電子メールは殆ど支障なく通わせることができ、その便利さというか、モー   ルス信号なみの威力を再び知ることができました。   ほかに社会に貢献できない一人のサラリーマン管理職として「心が通いあう   豊かでコミュニティ溢れる情報化社会」建設に生涯を捧げたく意を強くしま   した。 以上 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 1月20日 【感激】サンフランシスコから心配のメール     会社の地位のある人から地震災害を案じられたメールが氏の携帯パソコンから発 信されてきました。一部を差し支えない範囲で紹介しておきます。 >私は1月16日よりアメリカに出張し、現在サンフランシスコに居ます。 >デトロイトに到着した翌日、大阪大地震を知ったのですが、地震に関する私宛 >の幾つかの報告をPCVAN電子メールで読むことが出来ました。このように >大事件が発生した時の電子メール情報は本当に貴重な情報源と思います。 >日本時間の21夕方日本帰国予定です。とりあえずTYMNET経由で連絡致 >しました。   以上 同時に、地域情報を提供した小学校の先生からもインターネット経由PC−VA Nあてに、見舞いのメールが入ってきました。その中で先生は「メールで入って きた知らせは、マスコミとは違い切々たるものと感じ、ぜひ子供達に話して聞か せたい」というものでした。悲しみと感激が交錯した1日でした。 以上 WANの威力をまた知りました。 ... Path: inetnews.niftyserve.or.jp!news.iij.ad.jp!tyo-noc-news!jh1ynw!shiro!claris!xeroc!ykgw!yhqfm!spin-hsd0-tky!newssv1!news From: QCT40196@pcvan.or.jp Newsgroups: tnn.interv.corp Subject: $@!J%a!<%+!<$NN)>l$+$i!K?L:R%M%C%H$N;W$$=P!J#2!K!!!!(J Message-ID: Date: 11 Jun 95 10:22:58 GMT Sender: news@newssv1.pcvan.or.jp (NetNews System) Organization: PC-VAN, Japan. Lines: 148 Nntp-Posting-Host: isd-gw ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 1月28日 1月28日大阪〜神戸ひざくりげ    たしか江戸時代に「東海道道中ひざくりげ」というのがありました。28日土曜 の休日、緊急の仕事で着の身着のまま、パソコンと書類等をリュックに詰め込み、 朝8時に大阪府枚方市の自宅を出発しました。以下の交通網が示すように、普段 ですと神戸で行われる15時からの仕事には2Hみれば大丈夫なのですが…。   神戸三宮   西宮 大阪梅田   京橋    樟葉  至京都 <被災前>  ●----40分--・-----○---10分-○--40分--●---------          阪神電鉄     JR環状線    京阪電鉄 青木(オオギと読みます) <被災後>  ●********▲--20分---○---10分-○--40分--●---------      バスまたは徒歩9Km=2時間半弱 梅田で阪神の特急に乗車すると、両手に救援物資をいっぱい持たれリュックを背 負った方でいっぱい、でもラッシュの押し合いとかいう光景はなく、皆現地の方 への思いやりに溢れた平静な目つき、でも心配で疲れきった表情が印象的でした。 電車が西宮を通過すると、悲しい光景が次々と…。特急電車ですが、このあたり から徐行運転で青木に到着しました。ここでも皆整然と列をつくり改札を抜け、 駅の外に出ました。テレビのニュースでは味わえないすさまじくも悲惨な光景で す。駅の前のビルは火災で黒こげで廃虚と化し、平屋の家はことごとくペシャン コにつぶれ…そうです「ペシャンコに砕け散る」こんな表現が当たっております。 今回の地震では「圧死」された方が多かったのがよくわかりました。重くのしか かった家具や家の重さでは、なにびとも逃れることはできません。キリストが手 にクギをうたれ、ただ苦しそうに無表情え死を待つ…それ以上に、多くの子供達 も犠牲になっており、絶叫をあげ、きっと今世に未練を残され、もっと苦しい思 いをされたに違いありません。罪人も含め、亡くなられた多くの方は「皆天国で 幸せになって欲しい」と合掌いたしました。 遠くの線路はグニャと波をうっていて、その線路の上に電車がデコボコ状態で静 止している。丁度、精巧な鉄道模型を作る時、車両を重ねあわせることがありま す、まさに、そんな感じです。 バスにのろうとしたら長蛇の待ち行列で2H待ち、しかたなく徒歩を決心し、た だもくもくと目的地の神戸三宮へ。普段運動不足のせいか足がパンパンになって きました。おなかもすいてきましたがお店もありません。道中で見る光景は、ニ ュースで話題になっている東灘…のすさまじい地震被災の光景が展開されました。 マンションやアパートは大きくひび割れし、ビルの途中で折れて横滑りしていた り、あるいはドカンと倒れておりました。その下に木造民家がペシャンコにつぶ れていました。今でも行方不明者がその中で苦しそうな声をだされ助けを求めて いそうな気がしてなりませんでしたが、なすすべもありません。手もつけられな い程「阿鼻叫喚の地獄絵」とはこのことを云うのでしよう、つらい道のりです。 途中、学校の校庭に多くのテントや自衛隊の車が建ち並び、なにか戦争の破壊跡 を思わせた程でした。そこには多くの被災者の方々がきっと疲れた体を横たわら せているのでしよう、ひっそりとしていました。 川では洗濯されておられる女性の姿がありました。冬枯れの冷たい水です。 老人夫婦が倒壊した家の後かたづけをしておられました。もう亡くなった父母の 姿とだぶり悲しさを誘いました。別の家では、なにもなければ恋愛や遊び盛りの 若い娘さんがしずかに倒壊した家の破片を運んだり、残骸のお人形や小荷物を運 び出される光景がいとおしくてなりませんでした。 ホコリまみれで横たわった一匹の犬が悲しそうな目をしておりました。主人を亡 くしたのか餌をこびることもせず、ただじっと自分の息が絶えるのを待っている かようでした。横には猫もおり、じっとこちらをみつめ「わが輩は猫である。ご ちそうをもってこんかい」といわんばかり、言葉をだせない動物達を見て涙が一 層溢れてきました。 避難あるいは疎開されているのか、あかりもなくひっそりと大きくヒビ割れた家 だけがありました。神社も例外なく、こっぱみじんになっており、被災者の方は 「苦しい時の神頼み」もできなくなっており、そこにはボランティアでものを運 ばれる方々の安息所になり、もくもくと弁当を食べておられました。 ニュースで大きく報じられている阪神高速を横目に歩いていたのですが、倒壊し た高速道路や支えはだいぶん取り除かれ、すでに再興の工事が少しづつ始まって いました。でも、すごく大きな傷跡は一生忘れないでしよう。今度、同じコース を家族をつれて歩こうかと思うようになりました。自分の子供達の瞼にしっかり と焼き付けさせておきたいからです。 ・・・6月10日追記)後日家族で現地を歩きました そうそう、途中ボランティアで救援用具を大きな袋に詰め込んで運ばれる集団に 出会い、同年輩の方が重そうにしておられましたので「旅は道連れですな〜、私 にも運ばせて下さい」。ハイテクに毒されてきた自分にとって、ひと時の人間ら しさを味わいました。実はこの救命用具を作っておられる会社の方々でした… 「どこか分かりませんが、ともかく行き着いた先の病院にもっていくところです よ、ハハハ」。素晴らしい方々でした。若いお嬢さん達も大勢両手にいっぱいの 救命具をもっておられたのが印象的でした。ちなみに私の息子はもうすぐ受験で、 高齢化に向かうので、医療器具関係の仕事につけるよう親として指導してきまし た。思うに、ハイテクの代表であり企業理念もしっかりした私と同じ会社に入っ てくれれば有り難いのですが、今では超難関になりました。よって、たとえ小さ くてもいい、人間愛にあふれたこんな会社がいいなあと思った程でした。 たしか、ある台湾の方のお便りに「この地震で日本人の助け合う姿勢や心、ここ に日本の強さを見ました。がんばれ日本」という内容でしたので、道中会話しな がらまさにそういう気がしました。また金髪の外国人が横滑り倒壊したマンショ ンをみながら写真をとっておられました。そこには興味本位という目つきはなく、 「この惨状を一刻も早く母国の多くの人に知らせなければ」というヒューマニテ ィ溢れる目つきでした。 そうこうしている内に神戸近くの「春日道」を過ぎる頃から、すごくおなかもす き、ノドも乾いて、足もヨタヨタになってきました。ゲートルを巻いてくればよ かったか? ようやく「パンが入荷しました」というお店に立ち寄り、パンとコ ーヒーを買って、むしゃむしゃ食らいつきながらまた歩きだしました。確か昔は さっそうと背広を着てお客さんへいってたのですが、ビルはなんとか残っている のですが、商店街も含め見る影もありません。 目的地の神戸三宮につきました。美しい三宮のアーケード商店街は、こっぱみじ んに砕け散り、ビルは一応たってはいるのですが、多くは土台がヒビ割れし、横 滑りや倒壊しかかっております。圧巻だったのは、たしか三井生命ビルと記憶し ておりましが、メインストリート中央通りに今にも倒れんと真ん中からポッキリ 折れていました。「自然の力の前には人間というのはなすすべもなし」と思いま した。少しづつ再興の槌音が聞こえており、数年後には、また生まれ変わった見 事な神戸の夜景が見られることを祈るばかりです。 さて、仕事の事務所につきましたが、そこには、毛布やフトンが大部屋に雑然と おいてあり、皆疲れきった表情で各人の仕事をされておりました。交通手段がな く、自転車で打ち合わせの場所に走り、事務所に戻る時仲間にはぐれ道に迷って しまいました。全国から応援部隊の方が集結されており、聞いても分からないの ですね。記憶をたどり、ようやくもとの事務所へ。 打ち合わせの相手の方は、被災以降、やはり着の身着のままで仕事場につめてお られ「ホテルも利用したのですが、水は最近でるようになったが、なにせお湯が でない、水風呂ですわ。部屋の暖房もきかない、寒いホテルでした」と大変疲れ 切った表情をされていましたが、兵庫の再興に身をやつしておられ、同情という か何か助けになればという思いが強くなってきました。おみやげに家からもって きたホッカイロを、同行した若者はリポビタンDをドッサリプレゼント…もはや 気力と全国の温かい応援しかないという感じがしました。 もう真っ暗になり徒歩は危険というので、以下の道順で帰路につきました。    新神戸    谷上   三田      宝塚   大阪  京橋     ○----------○----------○--------------○-------○------○ たしか3時間ぐらいかかったと思いますが、電車は10分から20分間隔で動い ていますので、大阪〜神戸ルートはこれが一番確実でいいようです。もちろん、 電車はリュックを背負った方でラッシュアワーの如し、皆「いい仕事をした」と 疲れた表情ながらもすがすがしい車中でした。でも毎日これをやるのは本当につ らくなってきます。 家に着いたのが、22時を回っており、現地の方には申し訳ないと思いつつ、温 かい風呂に入り、朝目がさめ、この「ひざくりげ」をUPしております。が、足 はパンパンになっておりました。 ところで、関東大震災もいのしし年、この地震もいのしし年、私もいのしし年、 なにか因縁めいたものを感じますが、被災者のことを考えると、縁起とかそうい うことを云っておられません。国民皆が心をひとつにして、一刻も早く「温かい 風呂に入れる」街の復興がまず第一、「生活あっての仕事」ですね。 以上 パソ通によって、被災地の情報をたくわえ、救済に役立てる、今こそ重要    なインフラづくりの必要性を感じております。 Path: inetnews.niftyserve.or.jp!news.iij.ad.jp!tyo-noc-news!jh1ynw!shiro!claris!xeroc!ykgw!yhqfm!spin-hsd0-tky!newssv1!news From: QCT40196@pcvan.or.jp Newsgroups: tnn.interv.corp Subject: $@!J%a!<%+!<$NN)>l$+$i!K?L:R%M%C%H$N;W$$=P!J#3!K!!!!(J Message-ID: Date: 11 Jun 95 10:23:06 GMT Sender: news@newssv1.pcvan.or.jp (NetNews System) Organization: PC-VAN, Japan. Lines: 106 Nntp-Posting-Host: isd-gw ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2月3日 バレンタインチョコの所感           日本人は正月やクリスマスを祝い、日本古来の伝統と欧米の合理性をうまくMI Xさせてきました。バレンタインデーのチョコレートもそのひとつ。日頃お世話 になっているから、わずか数百円のチョコに自分の心の証を託していく。これは 素晴らしいことではないかと思うようになりました。実は職場で「義理チョコ廃 止」の通達がまわってきて、以下のRESを返しておきました。 −−所感−− 私の部下の女性のおばあちゃんは、阪神高速のすぐ下に住んでおられ、この地震 で倒壊の直撃を受けられあえなく死亡されました。本人それに親父さんの悲しみ はいくばくか、想像に絶するものがあります。これが自分の親だとしたら気も狂 うばかりです。また主人を失った動物達には安楽死が施されているとのことです。 こういう悲劇の中で、私自身は遠く神戸の被災地救済のパソ通システムの支援に 加わり、現地の方々と回りの心情を察しながら静かにやっております。 思うに、義理でもいい、このようなチョコレートをもらうと心がなごみます。 私は「寒かろう、疲れているだろう」と現地の方にホッカイロを、同行した者は リポビタンDをたくさん差し上げました。それ以来、仕事もやりやすく、しみじ みとした会話ができております。 儀礼もおおいに結構、日本人の温かさ、心の通いを忘れてはなりません。 余り合理性の判断をいれると、この素晴らしい日本は心の中から空洞化してしま いますよ。よって、年賀状も含め、このようなことは本人がどう感じどう行動す るかでないかと思うようになりました。 −− 最近とみに涙もろくなってきました。昨日も余震を感じました。わずかの揺れに 現地の方々は数倍のショックを感じられておられます。このむなしさは一体いつ まで続くのやら。 被害を受けてない我々はせめて元気にやっていきましよう。 以上 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2月7日 母親の愛は強し§^。^§            どうも、大阪にいて、多くの人がリュックに救援物資をつめこんでもくもくと運 んでおられる。なぜか私の話題は地震にほうへ、すんまへん。 昨日も仕事で神戸へ出向いたのですが、ほのぼのとした会話に出会い、UPした くなりました。 神戸のとある露天喫茶(実は店の中はぐしゃぐしゃ故露天なのです)でおばさま 2人が会話…「あのときはすごかった。でも息子2人は押入に頭つっこんでまた 寝ていた。マンションの階段も破壊され、どこをどうおりてきたか覚えていない のねえ。衣類と子供のアルバムはしっかりと抱いて外に飛び出た」ということで した。そのおばさまは鼻にケガをされ、トレーナー姿でした。母親の愛というの は素晴らしいですね。帰りの電車では、ほとんどがリュックを背負い、電車にか け込んできたおばさんは手に包帯を巻かれていました、きっと骨折されたのでし よう。でも、弱音をはかず、たくましく満員電車に飛び乗ってこられました。   母 親 の 愛 は 強 し 、 そ の 行 動 は た く ま し ! §^。^§§^。^§§^。^§§^。^§§^。^§§^。^§§^。^§§^。^§§^。^§§^。^§ 以上 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2月10日 パソ通とは人類が火をおこすに似たり       ドラエもん 9日の日経新聞朝刊33面に「兵庫県及び政府は、被災者へのパソ通システムを 開始する」という記事がありましたが、関わっている当事者として一言。 大昔、人類は火をおこし、それで獲物の肉を焼き、また先祖を弔う…という知恵 を身につけました。人間は「見る、聞く、云う」三拍子揃った哺乳類であり、こ こに、相手の在不在に関わらず意思が通じ合うスピードを身につけました。しか も、いろいろな職業にも役立たせることができる。そういう世の中になってくる と、火を起こせない、つまり、情報に疎い、情報を発信できない人々はいずれ寂 しい思いをされることでしよう。これは歴史的エポックメーキングな出来事であ ると考えており、利口な企業は「価格破壊時代の競争力向上」の意味で、国家及 び兵庫県は「大災害に伴う復興事業の意思伝達手段」としておおきく見直される ことになりました。その成功は、ひとえに個々人同志のメールから始まり、この ようなフォーラムで自分の意見を申し上げ、感性を磨いていくことに尽きると思 います。 以上 さて、あす土曜日の震災ネット対策会議の資料を作らねば ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2月12日 汚物だなんていってられないよ〜          天災は忘れた頃にやってくる、これは神様のいたずらか…というにはあまりにも 過酷な仕打ちの大地震でした。昨日土曜日も、今度はプリンタを両手で抱え、2 Hも歩いてしまいました。途中、道に迷い、炊き出しをやっておられる避難場所 に入ってしまいました。でも被災者の皆さんは、着の身着のままといった様子で 温かいスープを飲みながら談をされておられました。更に歩いていき、途中トイ レにいきたくなり公衆トイレに入ったのですが、汚物が便器からもりこぼれ、床 は黄色い液体が一面にあふれていました。でも汚いなんて云っておられません、 被災者の方はこんなところで用を足されておられたからと思うと。 さて、今日の朝日新聞第一面に「官邸に直接速報:災害対応政府決定」という記 事が大きく出ており、ついに国としてハイテクを駆使した仕掛けに取り組み出し ました。平和な日本にあって、やや遅きに感じました。更に、記事を読んでいく と「緊急事態では民間情報を活用できるように国土庁が各社に要請する」があり ました。おそらく、これは庶民の間に拡がっているパソ通のことを指しているの ではないかと直感しました。 「災い転じて福となす」ではありませんが、この災いがすごく大きなものだった ので、福も極めて大きなものにしたく、これらフォーラムを通じて一緒に行動し ていきましよう。 以上 Path: inetnews.niftyserve.or.jp!news.iij.ad.jp!tyo-noc-news!jh1ynw!shiro!claris!xeroc!ykgw!yhqfm!spin-hsd0-tky!newssv1!news From: QCT40196@pcvan.or.jp Newsgroups: tnn.interv.corp Subject: $@!J%a!<%+!<$NN)>l$+$i!K?L:R%M%C%H$N;W$$=P!J#4!K!!!!(J Message-ID: Date: 11 Jun 95 10:23:12 GMT Sender: news@newssv1.pcvan.or.jp (NetNews System) Organization: PC-VAN, Japan. Lines: 87 Nntp-Posting-Host: isd-gw ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 3月5日 【事例】阪神・淡路大震災パソ通システムの紹介と御礼   過日よりサポートしてきました掲題の件、2月22日無事各メーカーともパソコ ンの配備をほぼ終わり、情報登録・活用が始まりました。本システムは当初極秘 で進めてきましたが、対策本部、県庁のほかに、避難所でも活用が始まりました ので、一連のSTORYをご紹介します。 なお、現地の劣悪な環境にもめげず、忙しい業務の傍ら本システムの推進にご協 力頂いた方々をご紹介し、この紙面を借りて 本当にご苦労様でした!! 1.推進体制   政府現地対策本部    通産省  関連:国土庁、郵政省…     |  −兵庫県庁(−各市役所、自治体、避難所の小中学校)     |    電子工業振興協会(電子協)      |    各メーカー及びネット 2.協力メーカ、ネット、サードパーティ  (パソコン)NEC、富士通、IBM、東芝、沖、エプソン  (ネット )PC−VAN、NIFTY、PEOPLE (ソフト )インターソフト、ジャストシステム、        ロータス、マイクロソフト   注:国からみれば、上記各社に対しては中立の立場 3.経緯  1月17日:大地震発生。政府としてパソ通の組入れを検討されていたらしい  1月27日:通産省より電子協へ依頼あり、メーカーへ指示あり  1月28日:現地ヒアリングと機器手配依頼    …  :掲示板の設計        配布機器の準備  2月初旬 :現地対策本部にPC−98を先行出荷  2月16日:新地震掲示板での本番突入  2月20日:パソコン、モデムのトラック配送(SE2名をのせて)   〜22日:他メーカーも同じ  2月23日以降:情報登録作業はじまる    …  :通産省、県庁ともメールやりとり始まる  3月 2日:ある精神医療機関へFAX配信システムを導入  3月 3日:(余談)兵庫県庁に貴の花 激励に  3月11日:兵庫県庁よりボランティアグループに教育実施 …  :以降、インターVネット、CSK殿のネット運営 4.システムの特徴 (規  模)パソコン展開規模:約200台 (設置場所)現地対策本部、兵庫県庁、各市役所、自治体、避難所の学校 (ネット )PC−VAN、NIFTY、PEOPLE間で情報同期化を図る。 (情報分類)「J JISIN」のSIGをみればわかるが、       「ボランティア情報+公的情報+ネットサービス情報」からなる。 5.所 感  ・危機管理の上で電話回線を使った手軽にできるパソ通の威力はものすごい。  ・各メーカー、ネット会社公平にとはいえ、時間的制約、劣悪な環境など協調   が難しい点多々あり、どうしても幹事会社の主導にならざるを得なかった。  ・各ネット会社とも実によくやってくれた。  ・各パソコンは要求を善意に解釈されすべてWINDOWSで統一して頂いた。   一太郎WIN、EXCEL、1−2−3WIN、まいと〜くWINがサード   パーティボランティアでしこまれ、「復興の部屋」グループには、   「PC−VAN、NIFTY、PEOPLE」が仲良く並んでいる。 ★☆★☆ 今回ボランティアにご協力頂いた方々 ★☆★☆ まず、現地対策本部の通産省、郵政省の責任者の方々、兵庫県庁の方々へ 「暖房のない冬の寒さにもめげず、ガレキのホコリにもめげず」…宮澤賢治ばり のご苦労、大変でございますが、メーカーも「被災者オリエンティド」な気持ち にたち、日頃火花を散らしているライバル同志が協力しあって効果を出していく 所存であります。 ・・・省略します 以上 Path: inetnews.niftyserve.or.jp!news.iij.ad.jp!tyo-noc-news!jh1ynw!shiro!claris!xeroc!ykgw!yhqfm!spin-hsd0-tky!newssv1!news From: QCT40196@pcvan.or.jp Newsgroups: tnn.interv.corp Subject: $@!J%a!<%+!<$NN)>l$+$i!K?L:R%M%C%H$N;W$$=P!J#5!K!!!!(J Message-ID: Date: 11 Jun 95 10:23:17 GMT Sender: news@newssv1.pcvan.or.jp (NetNews System) Organization: PC-VAN, Japan. Lines: 43 Nntp-Posting-Host: isd-gw つい最近、避難所をサポートされておられるボランティアの方から 以下のメッセージを受信致しました。 これまでの苦労が報われた思いがしております。 せんえつながら、メーカーを代表し、あつく御礼申し上げます。 (匿名****に修正しております) *********************************************************** >拝啓 > 阪神・淡路大震災の被災地に対する貴社の温かいご支援に、 >心からお礼を申し上げます。 > 私共は西宮市立平木中学校の避難本部で、貴社から提供され >た******を利用しているボランティアです。 > 当避難所では、避難者名簿の管理や情報収集に、パソコンは >なくてはならないものになっています。******の震災ネットは、 >一避難所では知り得ない様々な情報をもたらしてくれました。 >全国から電化製品や日用品をいただいたり、ここで消費しきれ >ない援助物資を神戸へ運んだり(輸送ボランティアもネット上 >で見つけました)、最新の生活情報を避難者(学校近辺の方も >含む)にお知らせしたりしています。 > 機器の操作と震災ネットの利用方法については、********** >のご指導を受けております。 > 6月に入り、避難所の特設電話回線の撤去が始まりましたが、 >****中学では特にお願いして、パソコン通信用の回線だけは残 >していただきました。安堵すると同時に、今日まで関係各位に >感謝の意も示さずパソコンを使っていたことに気づき、反省い >たしております。 > ありがとうございました。 > > 貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。 >                          敬具 > >    西宮市立****中学校避難本部 ボランティア  **** >                          **** ************************************************************* では、思い出シリーズを終わります。 今後もネットを見守っていきますので、 頑張って下さ〜い。                    NEC ドラエもんより