Path: trc.rwcp!rwc-tyo!news.iij.ad.jp!wnoc-tyo-news!aist-nara!odins-suita!saho!rcnpvx!ymizuno From: ymizuno@rcnpvx.rcnp.osaka-u.ac.jp Newsgroups: fj.misc.earthquake,tnn.interv.ngo-npo Subject: [WNN] NGO with Internet (World NGO Network) Message-ID: <1995Mar19.201930.3477@rcnpvx.rcnp.osaka-u.ac.jp> Date: 19 Mar 95 20:19:29 +0900 Organization: Research Center for Nuclear Physics, Osaka Univ., Japan Lines: 218 Xref: trc.rwcp fj.misc.earthquake:1755 tnn.interv.ngo-npo:114 水野です. NGO団体によるインターネット利用の,支援活動を中心とした 情報ボランティアグループに,「ワールドNGOネットワーク」(WNN) というのがあります。以下はその活動についての情報です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ワールドNGOネットワーク(WNN)・情報ボランティアグループ」 によるインターネット利用を中心としたボランティア活動プロジェクト − プロジェクトの提案と当面の活動内容に関する趣旨説明 − 1995年3月19日 WNN・情報ボランティアグループ WNN(World NGO Network) Information Volunteers プロジェクト名称:NGO組織によるネットワーク利用開発における共同研究 プロジェクト推進担当者:WNN・情報ボランティアグループ,協力者 渉外・管理責任者:下條真司(大阪大学大型計算機センター,情報工学科) 代表・広報責任者:水野義之(大阪大学,物理学) 協力者募集期間:当面1995年2月1日より3月30日まで. 活動期間:当面1996年1月まで. 1.このプロジェクトの目標とその意義について 「ワールドNGOネットワーク(WNN)・情報ボランティア」とは,阪神・ 淡路大震災のNGO団体による復興ボランティア活動において,今後長期的 に必要となる関係各方面との協力,情報交換,広報,連絡等の仕事をNGO 組織が効率的に行うために,情報化のニーズがある団体を側面から支援す ることを,活動の当面の目標としています. 我々はこの目的のために,NGO組織が普段から使い慣れた情報交換の手段 (電話,FAX,face-to-face)に加えてインターネット上のネットニュー ス,電子メイル,メイリングリスト,WWW等をも活用して,NGO組織におけ る情報整理や情報交換,情報入出力,検索サービス等を行なっています. このような情報化は,日本のNGOでは,欧米やアジア諸国のNGOに比べて遅 れています.特に今回の震災で現地に入って活動している民間のNGO/NPO 団体においては,情報化の余裕など,殆どなかったのが現状です.従って これを支援するという活動を,我々は情報ボランティアという形で行ない ます. 我々の活動の最終的な目標は,既存のNGO団体のスタッフの要望に応じて, 組織として直接に電子メディアやネットワークの有効利用が可能となる段 階まで,共同作業を通じて協力していくことを考えています. このような活動の長期的な意義として想定できるのは,まず第一に,市民, 市民団体,行政,専門家,そしてNGO/NPO団体の,相互の間の情報の流れを, 必要に応じて円滑にするために,その一助となることです.また第二に今 後の防災活動の一環として,災害時における広域ネットワークの利用方法 の開発研究を行う事です.長期的には,このような意義が想定されます. 2.このプロジェクトの特徴(関連する他のプロジェクトについて) ほぼ同時発生的に,幾つかの情報ボランティア活動が開始され,活動が継 続されています.このうち,IVN,InterVnetとWNN について述べます. WNNの活動のポイントは,上述のように情報化を必要とする民間NGO団体の 情報活動における協力,という点にあります.一方で,Niftyserveの利用 者を中心とする自主的ボランティア: IVN (インターボランティアネット ワーク)の活動は,行政の責任者がおられる避難所と外との連係や,被災 者に役立つと思われる情報収集,情報発信において,有効に機能してきた ようです. 既存のNGO団体の場合は,その海外活動の経験から,世界への繋がりを常に 意識していますので,我々の活動においてはInternetの活用が中心課題と なります.一方 IVN ではやはり接続が容易であるパソコン通信が適切です. さらに,東京にいても出来る活動としてInterVnetは,その両者を繋ぐ役割 が,主に意識されているようです(その際の利用媒体は,Internet上の NetNewsから始まり,さらに今後の展開が期待されます). すなわち,避難所と行政と外部をパソコン通信で繋ぐ仕事をIVNが担当し, 幾つかのNGO団体においてその近隣地域住民と外部をInternetで繋いでいく 仕事をWNNが担当します.InterVnetは,パソコン通信(IVNはその利用者の 一部)とInternet(WNNはその利用者の一部)とをつなぐ仕組みを提供する ものです. このような役割分担が,IVN,InterVnet,WNN の関係であると言えそうです. 長期的には,WNNのような活動は,Internetを中心とした「ワールドNGO ネットワーク(WNN)」そのものに繋がって行く可能性を含んでいると考えて います.これは,海外のNGO団体(アメリカだけで120万団体,世界では 総計数百万団体にも及ぶ)の一部が既に利用する,既存の電子ネットワーク の一翼としても,考える事ができるでしょう. 3.当面の活動内容とその背景 3.1)背景 当面の目標は,現場とNGO,NGOとNGO,NGOと外部の間をつなぐための情報処 理というような仕事を,現場のニーズを見ながら,自主的に担当することで す.これは今回の震災において、情報網の欠如やNGO団体における情報化の 遅れが,ボランティア作業においても非効率性をもたらし、柔軟な対応が行 なえなかったとする反省に基づいています. 長年の経験を持つ民間のNGO団体は,海外現地活動を通じて各種のノウハウを 蓄積しています。一方,インターネットの利用に慣れた,いわゆるNetter達に よって,広範囲で自主的な情報網構築のノウハウが蓄積されています.そこで 我々は,今回の大震災の反省に基づいて,これらのNGO団体の現場での活動に 広域コンピュータネットワークの利用を相補的に連携させることができれば, そこから何か新しい形態のボランティア活動を生み出すことができるのではな いかと考えています。 3.2) 当面の活動内容 そこで我々のグループは,このような視点から現場で共同作業を行い,そこか ら生まれる様々なネットワーク利用法のアイデアを,現場の担当者と共同で実 験的,実践的に検討して,役に立つ技術を使っていきます.ネットワークの特 性を利用した新しい利用方法の提案もあります.それらをNGO団体の現場活動の ノウハウに新しく取り込んで行く事が,当面の活動の中心課題となっています。 今後の方向性としては,次のような視点が重要だと指摘されます.すなわち, 海外においては,ODA で学校を建てるまでが行政の仕事であり,教育をするの は海外NGO団体の仕事となっています.そのように,被災地区においても,例 えば,仮設住宅を建てるまで(パソコンを配るまで)が行政の仕事であり,そ のあとを長期にわたって使い易いように整備し,生活に適切に活かしていくの が,NGO/NPO団体の仕事だと言えます。これを我々は,行政とNGO団体との住み 分けと呼んでいます。 このようなきめの細かい支援活動をおこなうことを目標としている現地NGO団 体の活動を,我々自身は,情報流通の側面から支援します. 活動の範囲は,とりあえず,大阪で始め,西宮にもノウハウを移しています. 神戸においては,地元のNGO/NPOの160団体を組織する連絡会議である「地 元NGO救援連絡会議」に協力する活動を3月から始めまています.長期的には, 他の地域や相補的な専門性を持った数多くのNGO/NPO団体とも協力する必要が あります。 一方,兵庫県企画部等の行政組織においても,IVN とその支援団体の協力に よって,避難所や行政におけるパソコン通信の効果的利用の開発が,平行し て進行しています. 今後はこのような共同作業や広域組織化等の問題が,課題の一つとなると考え られます. 4.ワールドNGOネットワーク(WNN)情報ボランティアの募集について Internetの利用に興味を持つ関西のNGO団体の一つとして,大阪YMCAがあります. そこでは,今後必要となる地域性,専門性を要求されるボランティア活動を効 率的に広域組織化し,ネットワーク上の情報の共有,海外への対応等を可能に するために,試験的にインターネットの利用を開始しています。これに伴って, 当初今回のような情報ボランティアが募集されました。 2月27日現在,約25名が「WNN情報ボランティア」として登録して, 活動を行っています。ネット上の Remote-Network-Volunteer 活動や,オン ネットの情報検索等も行っています。 なおWNN の参加メンバーによるMailing-Listを運用しております.参加希望 者はE-mailにてお申し込み下さい.申し込方法は,subject:欄に SUBSCRIBE と書いて,ngo-request@center.osaka-u.ac.jp まで,メイルを送って下さい. 5.備考(活動の地域について) 今回の「阪神淡路大震災・被災地の人々を応援する市民の会」は,平時におけ る関西NGO協議会(加盟24団体,連絡窓口:大阪YMCA)という組織が基礎の 一つとなって,結成されたものです.その現地本部事務所は,2/19より西宮か ら芦屋駅前に移転しました.これらの活動の後方支援を行う本部事務局が大阪 YMCAとなっています.西宮YMCAは,西宮市,神戸市灘区,東灘区を中心に,現 地活動を行っています.また今回の神戸における地元のNGO/NPO160団体を 組織する「地元NGO救援連絡会議」は,1月28日に組織されて,毎日新聞社 神戸支局が本部となっております. 6.参考資料 以下には参考資料として,NetNewsにおける今回のボランティア募集の初期の 記事を転載します.出典等は以下の通りです. Newsgroups: fj.misc.earthquake Subject: [CALL] info-volunteers at YMCA-Osaka Date: 1 Feb 95 13:10:58 +0900 Lines: 60 (中略) ここから: −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 大阪YMCAから 「情報処理専従ボランティア」募集 のお知らせ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 内容: 阪神大震災の復旧ボランティア活動で必要な各方面の情報収集,広報,募集, 連絡等を効率的に行うために,インターネット上のネットニュース,メイル等 を援用して情報整理を行い,また情報入出力を行うための,情報処理専従ボラ ンティアを募集している. 募集期間: 2月3日(金)より3月30日(木)まで.10:00AM − 5:00PM 条件: 無給。ユニックス上のインターネット利用(ニュース,メイルの読み書き)等 に習熟している方,毎日2名程度。特に今回の震災救援活動における,ネット ニュース記事群や,ネットワーク利用の動向,報道等にも詳しい方が望ましい。 当面は大阪大学大型計算機センターのユニックス機を活動本部から遠隔利用する。 応募方法: 次の内容を記したFAX,または電話で申し込む. ○氏名,所属,職名(学年) ○現住所 ○電話,FAX(もしあれば) ○電子メイル(インターネット) ○希望の曜日,可能な時刻 ○その他の希望 連絡先: FAX: 06−443−0739, 電話:06−441−5598 〒550 大阪市西区土佐堀1−5−6 大阪YMCA 国際・社会奉仕センター, 真嶋,笹江 まで −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ここまで