Microsoft Word のようなワードプロセッサは,印刷ドキュメントにちかい形式の文章がかんたんに書けるようにくふうされています. 脚注,目次,索引などを容易につくることができようになっています. しかし,これらのしかけはそうやってつくったドキュメントを印刷してみるときには便利であっても,そのままコンピュータ上でみるときにはかならずしも便利ではありません.
脚注よりはマウスポインタからのふきだしのほうが便利かもしれません. また,目次よりアウトラインのほうがやくにたつかもしれません. さらに,索引よりは検索機能のほうが便利でしょう.
学術論文などもネットからダウンロードしてみる機会がふえていますが,その形式はほとんどむかしのままです. むかしのままの形式であるかぎりは PDF ドキュメントを印刷してから読むのが便利ですが,形式を自由にきめてもよいのなら,ふきだしや文章の変形 (アウトライニングなど),検索機能などをうまくつかったほうが便利なはずです.
グーテンベルク以来 500 年以上をかけてつちかわれてきた印刷技術にかわるものをつくりあげるのは容易なことではありませんが,そうしていく必要があります.
キーワード: ドキュメント形式, 印刷技術