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社会・経済:マネー・電子マネーと景気循環, 書評:社会・経済

「常識」 から目をさまさせる,しかし疑問の点もいろいろ ― 野口 悠紀雄 著 「大震災後の日本経済 ― 100 年に 1 度のターニングポイント」

経済理論を現在の日本にあてはめるとどうなるか. 世間の常識にとらわれた結論とはまったくちがう結論がえられることをしめしている. そのポイントは震災で電力不足がおこり,ケインズ的経済がなりたたず古典派的経済がなりたつ世界になったということだ.

いま,復興財源として税金をつかうか国債をつかうかがおおきな争点になっている. これに対して著者は両方の選択肢が可能であることをしめしている. 国債を日銀にひきうけさせるのは可能だが,この方法ではインフレが生じて,低所得者にきびしい. 税のほうが公平になるという. だが,はたしてそうだろうか. もし声がおおきい者がよりすくなく税負担することになると,かならずしも税金のほうが公平とはいえないのではないか.

ほかにも,疑問の点がいろいろある. たとえば,電力不足に対処するのに輪番というような統制的な方法でなく電力価格値上げで対処するべきだという主張にはそれほどの説得力があるとはおもえない.

評価: ★★★★☆

関連リンク: 大震災後の日本経済@ [bk1] 大震災後の日本経済@Amazon.co.jp

注記: BK1書評Amazon.co.jp書評 に投稿しています.

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