おおくのひとが,東日本大震災をきっかけとして,日本全体がかわることを予感している. ところが,この本の著者たちは,かわるべきところもあるが,おおくの点でかわらなくてよい,いまのままでよいといっている.
原発は推進するべきであり,福島第一原発も廃炉にしなくてよいという. 欠陥だらけで痛みののひどい原発をどうやって再稼働させればよいというのだろうか (この本がもっとまえに出版されたのならわかるが,5 月に出版されているのだ).
これからインフレがおこることもないし,産業もこれまでどおりに復興させればよいという. 財政赤字もこれからさらに,つみあげていけばよいというのだろうか. 東日本大震災のショックはオイルショックのようなものだから,おなじようにのりこえていけるという. おこったことの質的なちがいも,日本の政治・経済などの状況のちがいも,おかまいなしだ.
評価: ★★☆☆☆
関連リンク: 大局を読む!@ , 大局を読む!@Amazon.co.jp.
注記: BK1 の 書評 と Amazon.co.jp の 書評 に投稿しています.
キーワード: