著者は東日本大震災をアメリカにつたえてきたジャーナリストだ. 自分がみた震災のすがたと日本の新聞などがつたえたそれとのあいだにギャップがあることを感じている. この本は日本人にはわかりにくい問題点をつたえている点で,価値がある.
日本のマスコミは震災における日本人の行動をほとんどいつも肯定的につたえていたようにおもうが,この本ではエゴイスティックな若者をとりあげている. それが真実なのかどうかには疑問もあるが,そういうケースもあったのかもしれない.
日本のマスコミが遺体の写真をとりあげないことについては私も不満をもっていたが,著者もそれを指摘している. しかし,それがとりあげられないのはそれに日本人のおおくがたえられないからであり,マスコミの側の問題ではないのだろう. こういう,受け手の問題がとりあげられなければ,真の解決にはつながらないだろう.
評価: ★★★☆☆
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