オーストラリア国立大学訪問報告
報告者 :
RWCP
ニューラルシステム研究室
金田 泰
Written: 95-11-24, Updated: 95-12-5.
1. 訪問の概要
ICEC '95
(IEEE International Conference on Evolutionary Computation '95) 開始直前の
1995 年 11 月 24 日に
研究動向調査のためにオーストラリア国立
大学 (Australian National University に出張した.
ANU の Bioinformatics Group に複雑系の研究者があつまっているという印象を
もっていたのでそこの研究者に連絡をとったが,おもな複雑系の研究者である
David Green が Charles Stuart University (CSU) に教授として栄転したという
ことなので,Dr. G. Weiller に面会した.CSU の Green 教授にも出発の 2 週間
以上まえにメイルをおくって出発の 2 時間前にやっと連絡がとれたが,飛行予約
その他でいろいろ問題があり,予定を変更することがむずかしかったので,
Dr. Weiller だけに面会した.
2. Dr. Weiller および Bioinformatics Group の研究について
Dr. Weiller は DNA や蛋白質の列の解析などにかかわっているが,おもに
解析結果のグラフィックスによる表示の研究をしている.彼は,表示結果を人間が
みて,それによってえられた知識を計算機に入力することによって,さらに
高度な解析を可能にすることができるとかんがえて,この研究をおこなっていると
いう.HIV (AIDS ウィルス) の DNA の統計的解析の表示法や DNA の 3 次元表示
上に遺伝的に変化しやすい部分と変化しにくい部分を表示することなどについて
話をきき,デモを見学した.3 次元表示によって,変化すると致死にいたりやすい
とかんがえられる蛋白質合成にかかわる DNA 部分列にも遺伝的に変化しやすい
部分があることがわかって生物学者の興味をひきつけたことなどが紹介された.
また,Bioinformatics Group の一員による,
植物の特徴をあらわすキーワードをつかって植物分類データベースから
当該の植物を検索するシステムについてもデモを見学させてもらった.
このシステムは柔軟な検索を特徴としているが,ファジィ検索などの連続データ
を使用する方法はとらずに通常のデータベース検索の手法をつかっているという.
いずれもデモ・システムは Windows 95 上で稼働しているが,さまざまな
ウィンドウ・システムで共通につかえるインターフェイスを使用しているという.
3. RWC および報告者の研究についての説明
RWC のパンフレットをわたして RWC プログラムの概略説明をし,報告者の研究に
ついても論文をわたしてかんたんな説明をした.RWC プログラムについては NTSC
方式のデモ・ビデオテープも持参したが,NTSC 方式の VCR が用意できないという
ことなので再生しなかった (あらかじめ PAL 方式に変換したテープをつくって
持参しようとしたが変換に失敗した).報告者の研究についてはそれほどつよい
興味をしめされなかったので,くわしい説明はしなかった.
4. Research School of Bioinformatics および ANU の一般的な情報
Bioinformatics Group が属する Research School of Bioinformatics と,
オーストラリア国立大学じたいに関する情報に関しては,大学全体の管理に
かかわる部所まで Dr. Weiller に案内してもらって資料をもらった.
Dr. Weiller には他のセクションの研究者にも連絡をとっていただいた.
このように,Dr. Weiller には非常に親切に対応していただいた.
以上
Y. Kanada (Send comments
to kanada@trc.rwcp.or.jp)