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質疑について : 聴講者には GA や人工生命の専門家がおおいため,つぎつぎとするどい質問を うけて,かならずしもうまくこたえられなかった.その一部をしめす.
Q: 分割統治 (divide-and-conquer) 的でない問題解決をめざすというが, CCM のように局所情報だけをつかうのでは,それとかわらないのではないか.
A: その場ではうまくこたえられなかったが,従来の問題分割のようにきちんと 問題を分割するのではなくて,あらかじめどこで分割するかをきめないこと や冗長性のある分割をすることによって柔軟な問題解決が可能になると かんがえられることなどをこたえればよかったとかんがえている.
Q: 局所情報による計算という点ではニューラルネットや SA (シミュレーテッド・ アニーリング (によって彩色問題をとくとしたらそれら) もそうであり, それが CCM の特徴とはいえないのではないか.
A: ニューラルネットは局所情報による計算モデルだといえるが,従来の理論たとえば Hopfield Net においては大域的なエネルギー関数をかんがえている.SA でも大域的な関数をつかう.CCM ではこのようなしかけをつかわない点に 特徴があるとかんがえている (かならずしもこのように理路整然と説明できなかったが,要約するとこうなる).
Q (つづき): しかし,CCM も局所秩序度をつなぎあわせて大域的な理論をつくれば,SA などとおなじことになるのではないか.
A: そうかもしれないが,そういう,とじた理論にしないことが重要だと かんがえている [星野先生から,CCM は従来の方法にくらべると「いいかげんさ」(きちんと 記述しなくてもよいところ) に特徴があるのではないか,との意見.]
Q: CCM の特徴は,従来のプログラミングによるのとはちがって,力学系 (dynamical system) 的に記述できるところではないか.[中略] そうだとすると,たとえば あらかじめ地図をもたずに動作するロボットのような応用にむいているのでは ないか.
A: そうかもしれないが,それはまだよくわからない. [会場から,そうはおもわないという声.]
Q: 最適化の問題もといたというが,それは CCM むきではないのではないか.
A: ためしにといてみたが,たしかにご指摘のとおりである.そもそも,「最適化」 の思想そのものに疑問をもっている.工学ではなんでも最適化問題にしてしまうが, そうするためにきりすててしまった部分もかんがえにいれると,最適解を もとめるのがほんとうに重要なことなのかどうか疑問だ (会場から,このかんがえへの反発もきかれた).
質疑の一部 :
Q: 単純なモデルであるわりには複雑なふるまいが生じている点に感心した. しかし,そのふるまいは単純なゲームである可能性もある.
A: そういう可能性もある.これからしらべる必要がある.