3D オーディオにおける音源の距離を表現する方法についてのべる.
音源の距離を表現するには,まず距離による音の減衰を表現する必要がある. 残響がなければ音の振幅は音源からの距離に反比例する. 音のエネルギーは距離の 2 乗に反比例する.
また,音は常温で約 340 m/s の速度でつたわるので,たとえば音源からの距離が 10 m であれば 30 ms の遅延がある. これは認知可能な遅延であるから,ばあいによっては遅延をシミュレートする必要がある. しかし,WAN を使用した音声通信においては通常 100 ms をこえる遅延があるので,それにくらべると通常会話する距離における遅延は十分にちいさく,遅延を増加させる意味はないとかんがえられる.
距離を表現するために減衰や遅延をシミュレートしたとしても,ヘッドフォンによる音は認知的には通常,頭内からきこえる. この音を頭外にだすには残響のシミュレーションが必要である. これについては ??? においてのべる.