遠隔会議メディアを分類し,分析する.
1. 遠隔会議メディアの分類
まず遠隔会議メディアはつぎのように分類することができる.
- 1. 個人使用型メディア
- 個人ごとにことなる端末を使用するメディアである. すなわち,各人が受話器やヘッドセットを使用する. 端末を各人の席におき,席にいながら会議することを可能にしている.
- 2. 会議室接続型メディア
- 複数の会議室をむすんで使用するメディアである. 端末は会議室ごとに 1 台使用する.
- 3. 個人使用型会議室メディア
- 個人使用型メディアと会議室接続型メディアを折衷したようなメディアである.すなわち,個人ごとに端末を使用するが,会議室内にいる参加者と他の場所にいる参加者とのあいだであつかいをかえるなどする. たとえば,会議室内の参加者の声はメディアをとおしてはつたわらないようにすることによって,より自然な会話が実現できるとかんがえられる. 分類項目として存在するが,このようなメディアが実在するかどうか,著者は確認していない.
2. 会議室接続型メディアの種類
代表的な会議室接続型メディアとしてはつぎのようなものがあげられる.
- 1. 音声会議メディア
- 会議室ごとに 1 台の端末 (スピーカフォン) を設置する. 通常,この端末にマイクとスピーカーが内蔵されている. 参加者は通常この端末から 1 ~ 2 m はなれた位置にすわるため,ノイズをひろいやすく,音質もあまりよくないが比較的低コストである. この形式のメディアをひろめたのが Polycom 社であるが,他社もそれとよく似た製品を販売している. Polycom 社のスピーカフォンの驚異的な点は,1992 年に最初の製品 Sound-Station を発売して依頼,10 年間以上にわたってほとんどモデルチェンジなしで販売をつづけてきたことである.
- 2. ビデオ会議メディア
- さまざまな形態のものがあるが,代表的な形態はつぎのとおりである. 会議室のひとつの壁面のそばなどにマイク,カメラつきの大型ディスプレイを設置し,参加者 (数人以下) はそれにむかってすわる. これによって 2 つの会議室をつなぐことができる. ディスプレイやカメラの配置をくふうすることによって 3 ~ 4 個の会議室をつなぐことができるようにしたものもある.
3. 個人使用型メディアの種類
個人使用型メディアとしてはつぎのようなものがあげられる.
- 1. 電話会議
- 電話では通常 1 対 1 でしか通話ができないが,あいだに中継サーバをはさむことによって,受話器やヘッドセットを使用して多者間の通話ができるようにしたメディアである. 各参加者はそれぞれことなる受話器を使用する. 電話網を使用するものと IP 網を使用するものとがあり,後者においては IP 電話器だけでなく,PC にヘッドセットやスピーカーをつないで使用することも可能である. 中継機能の設定は最近では Web からできるようになっているものがおおい.
- 2. デスクトップ・ビデオ会議
- 専用端末や PC などを使用し,会議参加者の声とともに映像も通信できるようにしたメディアである. 通常,映像を撮影するために小型のカメラを使用する.
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