Salutation アーキテクチャは,Salutation コンソーシアム (http://www.salutation.org/) によって制定された,ネットワーク上で機器やサービスが自発的に設定をおこなうためのアーキテクチャである.
つぎの文献にその概要が記述されている:
- Salutation Consortium: White Paper: Salutation Architecture: Overview, 1998, http://www.salutation.org/whitepaper/originalwp.pdf.
Salutation アーキテクチャにおいてはつぎの 3 個の要素をふくむモデルが定義されている:
- クライアント
- サーバ
- Salutation マネジャ (SLM)
SLM がすべての通信を管理し,必要に応じてことなる通信メディア間をつなぐ.Salutation におけるプロトコル (Salutation プロトコル) は SunRPC (Sun Remote Procedure Call Protocol) にもとづいている.SunRPC とは,Sun Microsystems 社によってきめられた RPC (遠隔手続き呼び出し) のための機構である.Salutation アーキテクチャにおいては SLP と同様にディレクトリは存在してもしなくてもよい.局所的なネットワークにおいてはクライアントとサーバはそれぞれブロードキャストによって相手を知ることができる.SLM を階層的またはグラフ状に結合することができるので,大域的なネットワークにも適用可能なスケーラブルなアーキテクチャになっている.
Salutation においてはサービスを記述するための形式が決められている.この形式にはサービス型と属性とを記述することができる.サーバがサービスの宣伝をするには SLM への登録を行う.クライアントはサービス要求を送出することによってサービスの場所を求める.サービス要求には,すべてのサービスを求めるものと,特定のサービス型のサービスだけを求めるものと,特定の (サービス型と) 属性にあうものだけを求めるものとがある.Salutation はセキュリティ機能が弱い SunRPC を使用しているため,それ自体もセキュリティが弱点になっている.
Salutation にはすでに,IBM 社のものをはじめとするいくつかの商用実装がある.