[ Top page ]

« RSVP にかわるプロトコルの開発 | メイン | NGN のアーキテクチャ »

QoS 保証

SCORE (Stateless Core)

Stoica [Sto 00] は SCORE (Stateless Core) というネットワーク QoS へのアプローチを提案している. SCORE においてはネットワークのコアノードはフローごとの状態をもたない. そのかわり,パケットが状態 (dynamic packet state (DPS)) を保持する.

フローごとの状態をもたないという点においては DiffServ にちかいが,パケットが DSCP や MPLS ラベルのような非常にかぎられた “状態” だけをもつのでなく,コアノードがフローごとの状態をもつのにちかい,ゆたかな状態をもつことができる. Stoica [Sto 00] は WFQ (Weighted Fair Queuing) に匹敵するアルゴリズムとして Core-Stateless Fair Queuing (CSFQ) を提案し,保証サービス (Guaran-teed Services) を実現する方法をしめしているが,さらにおおくの研究者が SCORE にもとづくさまざまなアルゴリズムを開発している.

Stoica [Sto 00] は SCORE が IntServ のような状態のあるアプローチと DiffServ のような状態のないアプローチとのあいだのふかい溝をうめるものだと書いている. また,Welzl ら [Wel 03] は DPS にもとづく方法をスケーラブルな QoS 保証を実現するための 3 つの方法のなかのひとつ (他は DiffServ と IntServ とのくみあわせと輻湊制御) としてあげている. このように,SCORE がたかい可能性をもつ画期的な方法であることはまちがいないであろう. しかし,Stoica によって SCORE の原理が確立され,それにもとづくさまざまな研究がおこなわれたとはいえ,コアにおける実用的な QoS 保証法はまだ確立されていないとかんがえられる. また,もし over-provisioning によってコアが混雑していなければ SCORE の必要性はうすいとかんがえられる.

参考文献

  • [Sto 00] Stoica, I., “Stateless Core: A Scalable Approach for Quality of Service in the Internet”, CMU-CS-00-176, Ph.D. Thesis, Department of Computer Science, Carnegie Mellon University, December 2000.
  • [Wel 03] Welzl, M. and Mühlhäuser, M., “Scalability and Quality of Service: a Trade-off?”, IEEE Communications Magazine, Vol. 41, No. 6, pp. 32–36, June 2003.
Keywords:

コメントを投稿

bulb403_7501-1.jpg

螺旋 3D 印刷技術を使用してつくったこのような「3D デザインランプ」を 3d-dl.com で売っています.

Powered by Movable Type