概要
インターネット・プロトコル (IP) はインターネット上の通信に用いられる基本プロトコル (ネットワーク層) であり,その上にトランスポート (転送) 層,さらにその上にアプリケーション層のプロトコルを組み合わせて用いる. 転送プロトコルには TCP や UDP などがある. TCP 上のアプリケーション・プロトコルとしては WWW で用いられる HTTP,ネットニュースに用いられる NNTP,チャット (IRC),ファイル転送 (FTP) などがあり,UDP 上のアプリケーション・プロトコルとしてはストリーミングなどにつかわれるリアルタイム転送 (RTP) などがある.
従来おもに使用されてきたのは 32 ビットのアドレス空間を持つ IPv4 だった. IP アドレスの枯渇が発生することが予測されたため,128 ビットのアドレス空間を持つ IPv6 がつくられた. なお. IPv5 (RFC 1190, RFC 1819),IPv7, IPv8 などのプロトコルも存在するが,現在のところ実用目的では使用されていない.
IP アドレス
インターネットにおいては基本的に通信するコンピュータごとに (正確には機器のインターフェイスごとに) 一意な 「IP アドレス」 と呼ばれる番号をわりあてることが必要である. インターネットにおいては接続する各組織に対して特定の IP アドレスの範囲 (領域) がそれぞれわりあてられる. 各組織はそれぞれにわりあてられた IP アドレス範囲のなかから所有する各コンピュータに特定の番号をわりあてる.
現在多く利用されているのは,IPv4 というプロトコルに基づく 32 ビットのアドレス空間である. IPv6 においては IP アドレスは 128 ビットに拡張されている.
- ネットワーク部とホスト部
- IP アドレスは,MSB (最上位ビット) に近い側をネットワーク部,LSB (最下位ビット) に近い側をホスト部として区別する. ネットワーク部がネットワークを指定し,ホスト部がそのネットワーク内の機器を指定する. ネットワーク部とホスト部の区別にはサブネットマスクを用いる.
- IP アドレスとドメイン名
- IP アドレスは数字の羅列で人間にはわかりにくいという弱みがあり,一般には英数字を使用した名前 (ドメイン名) を IP アドレスに対応する. たとえば “jpnic.org” というドメイン名は “208.254.26.132” という IP アドレスに対応するわりあてられる. インターネットに参加する各組織すなわち研究機関,教育機関,企業,プロバイダ (ISP),協会・団体,政府機関などに対して識別子として (広義の) ドメイン名がわりあてられ,各組織は所有する各コンピュータに対してホスト名をわりあてる. ホスト名とドメイン名をドット (.) でつないだものが各コンピュータの完全修飾ドメイン名 (FQDN, Fully-Qualified Domain Name) となる.
関連項目
参考文献
この項目の記述にあたっては Wikipedia の Internet Protocol の項目,インターネット の項目,IP アドレス の項目を参照した.