概要
Microsoft [Mic 02] は,IPv4 専用のネットワークを IPv6 専用に移行させるためのつぎのような手順をしめしている (表現はより一般的な状況に適合するように修正している).
一般的な方法論として,IPv4 から IPv6 へ移行するには次のような手順にしたがう必要がある.
- アプリケーションの更新
- アプリケーションを IPv6 または IPv4 に依存しないようにアップグレードする. アプリケーションを変更して IPv4-IPv6 共通のソケット API を使用することが必要である. これによって名前解決,ソケット生成などの機能が IPv4 または IPv6 の使用に依存しなくなる.
- DNS インフラの更新
- DNS インフラを,IPv6 アドレスおよび PTR レコードをサポートするように更新する. DNS インフラをアップグレードして,新しい AAAA レコードおよび PTR レコードを IP6.INT 逆引きドメインでサポートすることが必要な場合がある (オプション).
- ホストの IPv6/IPv4 共用化
- ホストを IPv6/IPv4 共用ノードに移行する. ホストはデュアル IP 層またはデュアル IP スタックを使用するように必ずアップグレードする. DNS リゾルバのサポートも必ず加えて,IPv4 と IPv6 の両アドレスを持つ DNS クエリ結果を処理する.
- ルーティング・インフラの更新
- ルーティング インフラを,IPv6 ルーティングのためにアップグレードする. ネイティブの IPv6 ルーティングおよび IPv6 ルーティング プロトコルをサポートするように,ルータを必ずアップグレードする.
- ホストの IPv6 専用化
- IPv6/IPv4 共用ノードを IPv6 専用ノードに移行する. IPv6/IPv4 共用ノードは,IPv6 専用ノードにアップグレードできる. 現行の IPv4 専用のネットワーク機器を IPv6 専用にアップグレードするには数年かかるので,このアップグレードは長期的な目標になる. IPv6/IPv4 共用または IPv6 専用ノードにアップグレードできない IPv4 専用ノードの場合は,適切な変換ゲートウェイを利用して IPv4 専用ノードが IPv6 専用ノードと通信できるようにする.
参考文献
[Mic 02] Microsoft, ホワイトぺーバー 「IPv6 と IPv4 の共存および移行」,2002 年 12 月.