大浦 [Our 02a] は IPv6 導入の利点としてつぎのような点をあげている.
- NAT 機能に起因するトラブルがなくなる
- ちょっとした設定ミスで通信できなくなったりすることが減る.
- ネットワークの構成変更に対して柔軟になる
- アドレス空間がひろがるために,アドレスのわりあてに自由度ができ,また DHCP をつかわなくてもアドレスが自動設定できるため,構成変更につよくなる.
「IPv6」 においても 「事実上無限の数の IP アドレス」 が利用できるようになって 「NAT の設定等に気を使わなくてすむようになる」 ことが利点とされているが,大浦はさらにそれを強調している. また,「IPv6」 においては 「管理者に負担をかけない IP アドレスの自動設定」 が利点とされているが,これは大浦の第 2 点と一致している.
「IPv6」 にあげられているこれら以外の利点はユーザからはみえにくいものだとかんがえられる. とくに,IPsec が基本プロトコルにくみこまれ強化されたこと (「IPsec の強化」) は,まだ IPv6 の IPsec が普及していない現状ではユーザにはわからないとかんがえられる.
参考文献
[Our 02a]IPv6 導入指南 (前編) 「IPv4 → IPv6 への移行技術を知る」 (@IT).
[Our 02b]IPv6 導入指南 (後編) 「既存ネットワーク環境を IPv6 対応にするポイント」 (@IT).