概要
OSGi 同盟 (Alliance) は 1999 年 3 月に設立された標準化組織であり,遠隔管理できる Java ベースのサービス・プラットフォームの仕様を定義している. この仕様の中心となるのはアプリケーション・ライフサイクルのフレームワークとそれにもとづく様々な OSGi サービスである.
最初の仕様書である OSGi リリース 1 が 2000 年 5 月 に制定されたが,その後,リリース 2 が 2001 年 10 月,リリース 3 が 2003 年 3 月,リリース 4 が 2005 年 10 月 から 2006 年 9 月 にかけて制定された. 2007 年 11 月現在の最新仕様はリリース 4.1 であり,2007 年 5 月に制定されている.
OSGi Alliance は Connected Alliance という提携関係を母体として 1999 年 3 月,サン・マイクロシステムズ,IBM,エリクソンなどにより設立された. 2006 年現在,ノキア,モトローラ,フィリップス,BenQ,テレフォニカ,BMW,サムスン電子,ドイツテレコム,BEA システムズ,三菱電機,日本電気,NTT,オラクル,レッドハット,日立製作所,インテルなど 35 社以上が参加している.
日本国内では 2004 年 9 月に NTT,シャープ,東芝,日本 IBM,NEC,三菱電機の 6 社によって,OSGi サービス・プラットフォームの利用を推進することを目的として,「OSGi ユーザフォーラム Japan」 が設立されている.
アプリケーション・ライフサイクル・フレームワーク
このフレームワークはスタンドアロンの Java/VM 環境に欠けている完全で動的なコンポーネント・モデルを実装している. アプリケーション・ソフトウェアや (バンドル形式で配布される) コンポーネントは遠隔から (リブートせずに) インストール・起動・停止・アンインストールできる. Java のパッケージやクラスの管理は詳細に規定されている. ライフサイクル管理は遠隔から管理ポリシーをダウンロードすることで API を経由して行われる. サービス・レジストリによりバンドルが新たなサービスや消滅したサービスを自動検出して適切に対応する.
当初の目的はサービス・ゲートウェイの仕様化だったが,適用範囲がひろがっていった. OSGi の仕様は携帯電話からオープンソースの Eclipse IDE まで幅広く応用されている. 他にも自動車,ファクトリー・オートメーション,ビル管理システム,携帯情報端末,グリッド・コンピューティング,エンターテイメント,アプリケーション・サーバなどに応用されている.
OSGi サービス
このフレームワークにもとづいて,つぎのような多数の OSGi サービスが定義された: ログ,構成管理,HTTP サービス (Java Servlet),XML 構文解析,機器アクセス,パッケージ・ソフトウェア管理,基本パーミッション管理,ユーザー管理,I/O 接続,結線管理,Jini,UPnP エクスポート,アプリケーション監視,宣言型サービス,消費電力管理,機器管理,セキュリティ・ポリシー,診断 / 監視,フレームワーク階層化など.
参考文献
この項目の記述にあたっては Wikipedia (日本語版) の OSGi の項目と Wikipedia (英語版) の OSGi の項目を参照した.