ネットワーク・シミュレーション法はそれが単位とするレベルによってパケット・レベルとフロー・レベルという 2 種類に分類される.
- パケット・レベルのシミュレーション
- パケットを単位とするシミュレーションである. OPNET [Cha 99] や ns-2 [Alt 03] はパケット・レベルのシミュレータである. 実際のネットワークにちかい条件でシミュレーションをおこなうことができるが,低速であり,数 1000 ノードをこえる大規模なシミュレーションをおこなうのはむずかしい.
- フロー・レベルのシミュレーション
- 送信者,受信者が共通である一連のパケット,すなわちフローを単位とするシミュレーションである. パケット・レベルのシミュレーションより効率がよいので大規模なシミュレーションにむいているが,正確なシミュレーションをおこなうのはむずかしい. とくに,TCP のウィンドウ制御に依存するようなばあいにはそうである. SimGrid [Cas 08] はフロー・レベルのシミュレータのひとつである.
パケット・レベルとフロー・レベルのより詳細な比較に関しては Sulistio ら [Sul 04] を参照.
参考文献
- [Alt 03] Altman, E. and Jiménez, T., “NS Simulator for Beginners”, Univ. de Los Andes, Mérida, Vene-zuela and ESSI, Sophia-Antipolis, France, December 2003.
- [Cas 08] Casanova, H., Legrand, A., and Quinson, M., “SimGrid: A Generic Framework for Large-Scale Distributed Experiments”, 10th International Conference on Computer Modeling and Simulation (UKSIM 2008), pp. 126–131, April 2008.
- [Cha 99] Xinjie Chang, “Network Simulations with OPNET”, 1999 Winter Simulation Conference, Vol. 1, pp. 307–314, December 1999.
- [Sul 04] Sulistio, A., Chee Shin Yeo, and Buyya, R., “A taxonomy of Computer-based Simulations and its Mapping to Parallel and Distributed Systems Simulation Tools”, Software – Practice & Experience, Vol. 34, pp. 653–673, 2004.
Keywords: