セッション確立プロトコル (SIP)
SIP (セッション確立プロトコル,Session Initiation Protocol) は IETF において標準化されたセッション制御のためのプロトコルである. ここでは SIP の概要からはじめて,ユーザなどの識別につかわれる URI,メッセージの構造や種類,標準的なシーケンス,SIP サーバの役割と標準的な構成,SIP におけるトランザクションと対話の概念,SIP の API,Cisco SIP Proxy Server について説明する.
SIP (セッション確立プロトコル,Session Initiation Protocol) は IETF において標準化されたセッション制御のためのプロトコルである. ここでは SIP の概要からはじめて,ユーザなどの識別につかわれる URI,メッセージの構造や種類,標準的なシーケンス,SIP サーバの役割と標準的な構成,SIP におけるトランザクションと対話の概念,SIP の API,Cisco SIP Proxy Server について説明する.
SIP を使用した通信においては,SIP サーバがセッション確立を把握することができるし, SIP を使用してセッション条件が変更される際にもそれを把握できるが,接続がきれたときにそれを把握する機構がない. そこで,2003 年 10 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-ietf-sip-session-timer-12 (S. Donovan, J. Rosenberg: Session Timers in the Session Initiation Protocol (SIP)) においては,SIP に keep-alive 機能を導入することによってその把握をはかっている.
2003 年 2 月に発行された情報的 RFC である RFC 3487 (H. Schulzrinne: Requirements for Resource Priority Mechanisms for the Session Initiation Protocol (SIP)) においては,SIP を使用した緊急通信のために SIP メッセージにおいて優先度を指定する機構に関する要求が記述されている. これにもとづいて,2003 年 7 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-ietf-sip-resource-priority-01 (H. Schulzrinne, J. Polk: Communications Resource Priority for the Session Initiation Protocol (SIP)) においては,SIP メッセージに Resource-Priority: と Accept-Resource-Priority: という 2 種類のヘッダを新設することによって優先度の記述を可能にしている.
2003 年 10 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-sparks-sipping-load-00 (R. Sparks: SIP Load Management) においては,SIP メッセージのネットワーク負荷の管理に関するドラフトである. 高負荷のときにとるべき方法として,503 応答 (Retry-After) とリダイレクションとがあげられている. 前者はそのホップにおけるすべての要求をとめるが,後者は特定の URI だけに適用される. これらには満足できないので,あたらしい機構として,THROTTLE 要求を使用するものなどをかんがえているが,まだとじていない.
2003 年 10 月に発行されたインターネット・ドラフト draft-ietf-sip-congestsafe-02 (D. Willis, B. Campbell: Session Initiation Protocol Extension to Assure Congestion Safety) においては,輻輳を避けるための SIP の拡張に関して論じている.
2003 年 4 月に発行された情報的 RFC である RFC 3521 (L-N. Hamer, B. Gage, H. Shie: Framework for Session Set-up with Media Authorization) においては,SIP を使用したセッションにおける資源の管理 (認可など) をポリシーに基づいて行う方法について記述されている.