工学院大学での「インターネット論」のオンライン授業で,アンケートや小演習のために Google Form を使用している. 学生に 1 問ずつこたえてもらうと,その場ですぐに結果が集計されてみることができる. また,日本の教室ではなかなか学生の発言をひきだすことができないが,Google Form ならばわりと気軽に発言してもらえるので,それを授業に反映させられるのも利点だ.
授業を教室でおこなうときには,アンケートも小演習も印刷した紙を用意するのが基本だった. 紙に書いてもらった結果を授業がおわってから見る. その結果を反映させるのは次回の授業からということになっていた.
しかし,Google Form をつかうと,アンケートも小演習も,1 問こたえてもらうごとに送信してもらうことができる. ひとつの Google Form で何度も送信してもらうことができるからだ. 小演習のなかにアンケートを 1 問いれて,小演習のやりかたに関するアンケートをとることもできる. これも学生の意見をその場で知ることができる. しかも,小演習にアンケートを追加することはその小演習をやっているうちにおもいついたことであり,その場でかきくわえて,こたえてもらったのだ. 選択式で (ラジオボタンで) こたえる質問ならすぐに集計されるし,自由記述 (「段落」) でもこたえた結果がまとめて表示される. 教室でもその場で意見をきくことは可能だが,おおくの学生はなかなかこたえてくれない. Google Form のほうが気安くこたえてくれるようだ. Google Form のほうがチャットや twitter にちかい感覚で,話を中断させることなく意見がいえるからだろう.
ただ,Google Form の返答のしかたの一つ「記述式」は,つかいかたがよくわからない. これも自由記述の一種なのだが,「段落」とちがって,Google Form はおなじこたえをまとめて,つぎのようなグラフにする.
知りたいのはこたえなのにグラフが中心になり,こたえの一部が省略されてしまう. 横棒のグラフにすればよいのに縦棒にするからこうなるのだ. これではこまるので,記述式はつかわなくなった.
Google Form は選択式か文字でこたえてもらうのが基本だが,ファイルをアップロードしてもらえば図表などでこたえてもらうことも可能だ. スマホなどのカメラで紙に書いた図表を撮影してアップロードしてもらう. あるいは,MS Word などで書いたものをアップロードするのでもよい. しかし,文字で書くのにくらべるとはるかに手間がかかるので,そう気安くこたえてもらうことができない. この場合は教室で紙に書いてもらうほうが楽だ. 表は文字でそれらしく書くこともできるが,表示がずれたりするので,かならずしもうまくいかない.
いまは小演習で小さな単位でこたえてもらっているからアップロードは重く感じるが,レポートや,授業のまとめとして実施しようとしているオンライン試験に関しては,カメラでとってアップロードするというのがよい方法なのではないかとかんがえている. レポートや試験で図表を書かないということはかんがえられないからだ.
レポートはすでに 1 回 Google Form で提出してもらったが,これはあまりよい方法ではなかったようにおもう. レポートは採点して返却することにしているが,Google Form には返却するしくみがないからだ. 返却するには結局 CoursePower をつかった. メールで返却することも可能だが,いちいちアドレスを入力するのもめんどうだし,セキュリティの点で CoursePower のほうがよいとおもうからだ. だから,つぎのレポートには最初から CoursePower をつかって提出・返却しようとかんがえている.
しかし,試験に関してはあいかわらず Google Form をつかうことをかんがえている. 教室での試験もみとめられることになったが,今回は最後までオンラインでやってみようとおもう. G Suite をつかうのが最善かどうかはわからないが,CoursePower よりリアルタイム性があるのが試験には向いているようにおもう. この場合も返却には CoursePower をつかうことになる.
書いたらすぐに送信して結果をみるというやりかたは,こたえにくいと感じる学生もいることがわかった. それもアンケートに気軽にこたえてもらえた結果わかったことだが,関連する質問が複数あるときには全部こたえてから送信したいという. それももっともなことだ. そういう意見にも配慮して,つかいかたをくふうしていきたい.
コメントする