環境管理型アーキテクチャとセキュリティ管理
東 浩紀 [Azu 03] はフーコー [Fou 75] の議論にもとづき,秩序を維持するための機構として近代社会においては規律訓練型アーキテクチャがつかわれてきたが,現代においてはそれが環境管理型アーキテクチャによっておきかえられつつあることをのべている.
現在は国や自治体のレベルにおいて環境管理型アーキテクチャがひろくつかわれるようにはなっていないが,企業などの組織におけるセキュリティ対策や情報漏洩対策においては,すでにこのアーキテクチャがひろく使用されるようになっている. すなわち,セキュリティ・ポリシーとよばれる規則を組織の構成員が自発的にまもるのではなく,それを強制する情報システムが構築され,それによってセキュリティへの脅威や情報漏洩の危険を未然にふせぐようになってきている.