もうここには書かないつもりでいたが,もうひとつ,書いておきたくなった. 榊 淳司 著 「マンションは日本人を幸せにするか」 という本を読んでの感想だ.
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あるマンションで大規模修繕工事がどのようにすすめられたかを記録している. 総会は紛糾し,管理組合役員は苦労をかさねて,ようやく工事を実現している. こうならずにすませるにはどうすればよいか,この本からまなぶことができるだろう.
評価: ★★★☆☆
マンションの管理組合が修繕計画をたてて,それをどのようにすすめていけばよいかが書かれている. 建物の各部分や設備についてそれぞれくわしく説明し,計画についても詳細な項目があげられている. ここまでやる管理組合はなかなかないのではないだろうか. ここまで書かれると,むしろ,退いてしまう.
評価: ★★☆☆☆
塗装を中心とする修繕工事をてがけてきた著者は,管理会社や業者のいいなりになるマンションの大規模修繕のムダを指摘する. 著者の会社ではどうやってコストダウンをはかっているかを,足場,下地補修,塗装など,工事の項目にそって説明している. 4 章だけは他の章とはちがって,著者のビジネスとくに自己破産させた会社について書いている. マンションの大規模修繕とは直接関係はないが,これはこれでおもしろい.
評価: ★★★☆☆
マンションの大規模修繕を管理会社のいうままにすると大損する,大規模修繕は管理組合中心でやるべきだと著者は主張する. 管理会社や業者のウソをみぬく方法や,修繕のコストをさげ,品質をあげるためのポイントや実例がいろいろあげられている. しかし,成功するためにはすくなくとも組合理事長が,それなりのやくわりをはたさなければならない. そんなに安易な方法はないということだ.
評価: ★★★★☆
著者は手をかけず空室ばかりになっている物件をやすく買い,夫とともに DIY でリフォームし,管理にも汗をながす. みずからそうじなどをするなかで,入居者との人間的な関係をきずいている. そのやりかたで 200 戸もあつかっているというのだから,すごい.
ただ,DIY なのでリフォームも自己流であり,プロならやらないようなあやしいこともやっている. しかし,それによってコストがおさえられ入居者にやすく提供できているのだとすれば,それでもよいのかもしれない. なんでも分業の世の中だから,逆にこういう,なんでも自分でやるやりかたは貴重だといえるかもしれない.
評価: ★★★☆☆
これは空室対策の本ではなくて,ネットオークションで家具を買う方法についての本だ. 大半のページはどうやってネットで格安の家具や電気製品を買うかということの記述にあてられている. しかし,この本のタイトルは 「満室術」 だ. それならば,そうやって入手した家具などをどうやってマンションにつかうのか,その戦略を書くべきだろう. それなくして 「満室術」 というタイトルをつけるべきではないだろう.
評価: ★★☆☆☆
マンションのリノベーションに関する本はすくなくないが,著者のやりかたの特徴は多数のへやをシリーズごとにまったくことなるデザインを採用することだ. こうすることでシリーズごとに入居待ちするひとがでるという. それ以外にも本書には 「顧客創造」 とか 「デザインだけでなく,物理的・経済的な付加価値まで意識する」 というような話が登場するが,それがどういう効果をあげているのかはよくわからない.
評価: ★★★☆☆
空室にしないためにはどういう設備をいれればよいか,コストをかけずにリフォームするにはどうすればよいか,といったことが話題としてめだっている. また,入居者のためにもどういう管理会社をえらぶべきか,管理会社とどういう関係をむすぶべきかといったことについても,いろいろ参考になるだろう.
評価: ★★★☆☆
入居率がわるいアパートをまるごと買い取ってリノベーションし,優良物件にかえる方法について書いている. 家賃はさげずにデザインやコーディネーションをきちんとすることによって価値をたかめることをすすめている. 内見者はへやにはいってから数秒の印象で入居するかどうかをきめると書いているが,多数掲載されたリノベーション後の写真には内見者に即座にうったえるであろう印象的なものがおおい. 設備やアロマの種類,広告写真のとりかた (広角で 200〜300 枚とるなど),内見者のあつめかたなどについてもヒントになることが多数書かれている.
評価: ★★★★☆
物件購入とそのための融資に 2/3 のページをさいている. そのあとにリフォームの話題がつづくのだが,そこにはいかにしてリフォームをやすくあげるか,そのノウハウが書かれている. これは賃貸物件だけでなく,自宅のリフォームなどにおいてもやくにたつ情報だとおもう. もっとも,トイレのリフォームが 5 万円でできたというのは,まとめて発注したからだろうが...
評価: ★★★☆☆
この本は,特徴のないワンルーム・マンションは空室が多い,それでも賃貸業をするのであれば勉強して差別化をはかる必要があると主張する. たしかに,そのとおりだ. それを認識していなかったおめでたいひとには,この本を読むことがきっかけになるだろう. しかし,記述は抽象的であり,あまり,やくにはたたない.
評価: ★★☆☆☆
この本の後半はさまざまなリフォームの例であり,特別,興味をひかれるものはなかった. しかし,前半では現入居者がおきざりになっている (へやがうまっているあいだはなにもしない) ことのまちがいや,内見客にメジャーや間取り図などをサービスするとよいことなどを指摘している. リフォームにおいても 「お客様」 の立場にたつことが重要だということだ.
評価: ★★★☆☆
お客様 (入居者) の立場にたつのが重要だということはほかの本にも書いてあるが,この本では 「入居者に 「部屋」 を提供するのではなく,「暮らし」 を提供する」 ということばで表現されている. そのために,「そこで生活してみる」 こともすすめている. それによって,さまざまなことに気づくという. 内見者もお客様なので,お礼の気持ちをつたえるのが重要だという. 後半は間取りやインテリアの具体例だが,ここも 「お客様」 を想像しながら読むのが重要なのだろうが,そこまでできなかった.
評価: ★★★☆☆
そろばん勘定のはなしがさきにたっているが,仲介業者や管理会社との連携が重要であること,とくに入居者の情報を管理会社からききだすべきであることが書かれている. カラーテレビ・ドアホンや照明などの内装設備,清掃やゴミについての記述も参考になる. 他の本にあまり書いてないこととして,部屋で死者がでたときのあつかいがある. いざというときのために,知っておく必要があるだろう.
評価: ★★★☆☆
賃貸市場は完全に買い手市場になっているにもかかわらず,おおくの間借り人はその利点をいかしていないようだ. この本では従前からの部屋のみさだめかたにくわえて,ルームシェアのようなあたらしいつかいかたのすすめや,借り手にもできるリフォーム,敷金・礼金がゼロの時代にもまだのこっている更新料をなくすこと (交渉など) について,はらってしまった敷金をとりもどす方法などが書いてある.
この本を読んで,主張するべきことはどんどん主張しよう! 大家にとっても,文句もいわずに逃げ出されるのはかえってこまるのだ.
評価: ★★★★☆
入居者のこころにふれるマーケティングの方法から,管理会社や不動産会社との信頼をきずく方法まで,さまざまな内容が書かれている. マーケティングに関しては,現地看板の設置や部屋の写真のとりかたなどは気づいていないひとが多いだろうとおもえる. 関連する会社とのつきあいに関しては,相手をかんがえ,誠意をもって対応することなど,当然のことだがかならずしもできていないことに,もう一度,気づかせてくれる.
評価: ★★★★☆
「空室ゼロ」 をめざす本には賃貸経営者が書いた本が多いが,この本はインテリア・コーディネータによる本だ. だから経営者にはひびかないということはいえる. しかし,空室が多くなる原因をさぐり,対策として資金や業者のことから,外観,間取り,色使い,照明,水回り,キッチン,収納,セキュリティまで,ひととおり書いてある. 全部をやれば相当な費用がかかるが,なかにはあまり費用がかからないこともあるので,一読すればきっとヒントがえられるだろう.
評価: ★★☆☆☆