金田 泰, 垂井俊明, 情報処理学会論文誌, Vol. 52, No. 3, pp. 1-17, 2011.
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[ PDF 版論文へのいりぐち (IPSJ) ]
要旨: ネットワーク仮想化は,ひとつの物理的なネットワーク上で多様なサービスを相互に干渉せず実現し,かつ単純にプログラムしカスタマイズすることを可能にする. ネットワーク仮想化は,IP,VLAN,あるいは NAT を使用するなど,多様な機構によって実現できる. 我々はこれらの実現手段に依存しない統一的な仮想ネットワークのモデルをつくり,そのモデルによって記述した仮想ネットワークを基本的に変更せずに多様な実現手段のネットワーク上に展開可能にすることをめざしている. この論文では仮想ネットワークのモデルとその主要な部品を定義し,それによって広域ライブ・マイグレーションのための仮想ネットワークを記述し,さらにそれをネットワーク・パーティション (VLAN による VRF) とアドレス・マッピング (NAT) という 2 つの実現方法による仮想ネットワークに展開できることを示す. この方法を仮想ネットワーク設定プロトタイプを新規開発して評価した. その結果,アドレス範囲指定やルーティング・パラメタの指定は実現手段ごとに変更する必要があったが,モデル記述の主要部分は共通化できた.
研究テーマ紹介: ポリシーにもとづくネットワーキング