現在のインターネットは決して理想的なかたちで発展してきたわけではない. いろいろなことが歴史的な事情や力関係のなかできまってきた. 政府の組織や制度を変えるのがむずかしいのと同様に,いったんできあがってしまったインターネットの構造をかえるのは容易でないが,どんどん複雑化していくインターネットの単純化をどこかではからなければならないとかんがえられる. ネットワーク仮想化はそのよいきっかけになるようにおもう. そこで,これまでネットワーク仮想化に分類してきた研究の一部を「インターネットの再構築」というテーマとして独立させることにする.
「インターネットの再構築」はとてもおおきなテーマだが,これまで私がやってきたのはそのほんの一部だ. 具体的には IP や Ethernet にかわるプロトコルをつくる (IPEC) ということだ. やってみてわかったのは,それらは欠点はあるものの,かなりよくできていて,それをこえるのは容易でないということだ. そこで,まずは IP/Ethernet というそれらのくみあわせに注目して,その問題点の解決策 (IPON) をしめす方向に転換した. IPON はこれまでのところ比較的好意的にうけとめられているので,それをもっと主張することをこころみようとかんがえた. (よりくわしい説明がこのブログ記事にある.)
論文は ここからアクセスできる.