近年,ランダムさをとりいれた計算法がさかんに研究されています. 遺伝的アルゴリズム (genetic algorithms) や遺伝的プログラミング (genetic programming) などの進化的計算 (evolutionary computation) もそのひとつですが,ボルツマン・マシンをはじめとするシミュレーテッド・アニーリングや,古典的なアルゴリズムに計算の効率化のためにランダムさをとりいれる方法なども研究されています. 私が以前に研究していた 化学的計算モデル (CCM) や ランダムな非同期セル・オートマトン も ランダムさをとりいれた計算を使用しています.
これらの計算モデルにおいては用意された規則をつぎつぎに適用することで計算がすすみますが, その規則の適用順序がランダムにきめられるようになっています. 計算を整然とした順序で (同期的に) おこなうことによって おもしろい現象がおこることもあるのですが,意図しない結果がえられる 場合も多々あります. ランダムさをとりいれることで効率がよくなることもありますが, それよりも,第 1 にランダムさが創発性のもとなのではないかということと, 第 2 に特殊なくふうをしなくても意図した結果がえられやすい のではないかということをかんがえて,このような計算法を研究して いました.
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