Newsgroups: tnn.interv.info
From: junko@amulet.co.jp (Junko Yoshimura)
Subject: VCOM NewsLetter No.4
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Mime-Version: 1.0
Distribution: tnn
Date: Tue, 6 Jun 1995 01:36:04 GMT

こんにちは、VCOM運営委員の吉村順子です。

はじめてのVCOMニュースレターをお送りします。インターVネットのニュース
レターから通算して4号目なので、No.4としました。

慶応大学大学院の金子研究室の研究プロジェクトであるVCOMのおおまかな企画
がたちましたので、今回はそのお知らせです。またVCOM事務局、VCOMへのメー
ルでの問い合わせアドレスは次のとおりです。


VCOM事務局 編集工学研究所
担当:森川美鈴(KYH00401@niftyserve.or.jp)
153 目黒区青葉台1-4-7-202
電話03-3780-0800、ファックス03-3780-0900

VCOMへの問い合わせメールアドレス
recpt@vcom.suehiro.nakano.tokyo.jp

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                     VCOMニュースレター No.4
                          1995年6月6日


         VCOM:インターVネットを使った情報コミュニティ作り

1 VCOM設立の背景
 阪神・淡路大震災の救援・復興活動を支援する情報ネットワークを作るとい
うことが契機になって、インターネットを使った商用パソコン通信をつなぐ仕
組みであるインターVネットが慶応大学の金子を中心とした数人のメンバーに
よって構想され、設立された。現在まで、神戸や淡路島の被災者やボランティ
アたちの連絡メディアとして盛んに活用されている。VCOMプロジェクトは、震
災支援だけにとどまらず、インターVネットを基盤にしたさまざまなボランタ
リーなネットワーク作りを実証的に研究しようというものである。

2 VCOMの目的
 VCOMの目的は、インターネットやインターVネットを利用してさまざまな規
模と種類の「情報コミュニティ」作りを支援し推進することで、多様な社会の
実現に向けてのモデル作りと実証研究を実施しようというものである。VCOMを
特徴づけるキーコンセプトは次の三つである。

・ボランタリーなネットワーク
・社会性の高い情報の共有
・市民の自発的参加による新社会システム

3 VCOMの研究活動
 VCOMの研究活動は以下のような四つのグループに分けられる。

3.1 インターVネットのホストの運用

 金子が運営している非営利組織である末廣ハウスには、Sun ワークステーショ
ン数台(日本サンマイクロシステムズから寄贈)が 、専用回線(インターネッ
ト イニシアティブより無償提供)によってインターネットにIP接続している。
このインターVネットのホストシステムの運営として、ネットニュースのアー
カイブ作成、メーリングリストの管理、WWWサーバなどのデータベースサービ
ス、WAISなどを利用した情報検索サービスなどの業務を実施する。

3.2 合意形成の場作り

 インターVネットでどのような情報を共有するか、また、ユーザにより使い
やすいシステムにするにはどうしたらいいかなどを相談する、各商用BBSをメ
ンバーとした『BBS協議会』を設置し運営する。また、インターVネットのユー
ザに要望や提案を出してもらう場としての『ユーザ会議室』を設ける。インター
Vネット上での「エチケット」を決めて行くための『AUP協議会』も追って設置・
運営する予定である。

3.3 シンポジウム
 VCOMシンポジウムを開催する。

3.4 ケースプロジェクト例

 具体的な情報コミュニティを実験的に、ないし、実践的に構築するのがケー
スプロジェクトである。現在、以下のものの実施を検討しているが、これらは
案であり実施が確定したものではない。なお、それぞれのケースプロジェクト
はVCOMがNGO/NPO/企業/自治体などと実施する共同研究プロジェクトである。

3.4.1 震災支援ネットワーク
・阪神・淡路大震災復興支援ネットワーク
・淡路島観光/地域復興
・災害時におけるインターネットとパソコン通信の連携シミュレーションと
  研究

3.4.2 NGO/NPO支援ネットワーク
・NGO/NPOへのインターネットサービスの提供(期間限定)
・活動ホームページの作成
・草の根BBSとインターVネットの接続と連携
・オンラインNGOディレクトリ
・地球市民のための電子ガイドブック
・NPOの法的環境整備フォーラム
・社会発展NGOフォーラム
・マルチメディア・ボランティア・データベース
・NGO/NPO/ボランティアを対象としたコンピュータ/通信研修

3.4.3 市民参加のまちづくり
・インターネットを利用した障害者の在宅雇用のモデル作り
・留学生/国際交流ネットワーク
・市民と作る自治体広報誌
・市民とおこなうふれあいまちづくり
・市民と作る安心なまちづくり

4 VCOMの運営体制

 VCOMの運営組織は、アドバイザリーボード、運営委員会、システム運用チー
ム、事務局(編集工学研究所の委託)などから構成される。構成員は次のとお
りである。なおかっこ内は所属で、各個人はその組織などを代表するものでは
ない。

アドバイザリーボード:相磯秀夫    (慶応大学)
                      石井威望    (慶応大学)
                      井関利明    (慶応大学)
                      一番ケ瀬康子(東洋大学)
                      伊藤滋      (慶応大学)
                      今井賢一    (スタンフォード大学)
                      岩崎駿介    (市民フォーラム2001)
                      下河辺淳    (東京海上研究所)
                      西川潤      (早稲田大学)
                      花田春兆    (評論家、文化人)
                      松岡正剛    (編集工学研究所)
                      武者小路公秀(明治学院大学)

運営委員会:小澤太郎(慶応大学)
            金子郁容(委員長;慶応大学)
            鏑木孝昭(末廣ハウス)
            田村次郎(慶応大学)
            花田光世(慶応大学)
            村井純  (慶応大学)
            吉村順子(末廣ハウス)

5 VCOMの継続年限
 VCOMは1995年5月1日にスタートし、三年間程度は継続する予定である。

以上

Markup: 金田 泰 (yasusi @ kanadas.com)
最終改訂 : 96-1-12