To: ngo@center.osaka-u.ac.jp, quake-vg@kobe-u.ac.jp From: ngoteam@ns.osaka.web.ad.jp (ngoteam) Subject: [Kirokushitsu Tsuushin] No.2 Cc: ...[中略]... Date: Sat, 24 Jun 95 14:57:42 +0900 舟橋@「震災・活動記録室」 です。 今回は一人で作ったので、疲れました。水野さんをはじめとする皆様方にも ご迷惑をおかけいたしました。この場をお借りしてお礼申し上げます。 では、「記録室通信」第2号です。 転載は自由です。ネットニュースへのクロスポストの仕方などが判りません のでご協力お願い致します。 -------------------------------------------------------------------- ----------------------------------- 記録室通信 24-June-1995 第2号 ----------------------------------- Quake Chronicle Project 震災・活動記録室 −はじめに− 皆様、いかがお過ごしでしょうか。「震災・活動記録室」です。 この「記録室通信」も今回で第2号となりました。今後ともよろし くお願いいたします。また、どんなことでも構いませんので、記録 室の方まで皆さんの「声」をお寄せ下さい。 (記録室通信担当:舟橋 健雄) −現地での最新情報− NGO連絡会議スタッフ、物資をもってサハリンへ出航 本日24日(土)、午前9時20分に川崎港からサハリンへ物資 を届けるために貨物船「希望丸」が出航致しました。今回は、NGO連 絡会議の代表として3名のスタッフが乗り込んでいます。サハリン の大地震に際し、被災地から様々な物資が届けられましたので、そ れを責任を持って届けるために現地での受け皿作りに努力します。 記録室としても、このサハリンへの緊急物資援助を通して、神戸 での経験が活かされたのかどうか、また活かされなかったことは何 かという視点で記録に残そうと思っています。また、この場を通し て皆様にご連絡させて頂きますので、よろしくお願いいたします。 −全国のボランティアの状況− 今回は、東京でのボランティアの動きについて、「震災被災者を 支える東京連絡会」の内山史子さんにご報告頂きました。このよう に神戸だけでなく、日本全国に活動の輪が広がって行きつつありま す。今後もこのような全国の状況をお伝えしたいと思いますので、 皆様の情報をお寄せ下さい。 ---------------------------------------------- 今回、震災の救援活動に携わった人は、東京周辺にも大勢います。 私たちもその一人です。すでに東京に引き揚げた人、あるいは当初 から後方支援に関わった人、様々な活動があると思います。私たち は、東京でもそれぞれの記録を残していきたいと考えています。 現在までのところ、ピースボート、無尽蔵、JET(Japan Emergency Team)等といったボランティア団体の聞き取りが進んで おり、また神戸市の中央区ボランティアの記録が地元と協力しなが ら進んでいます。一つの大きなグループを作るのではなく、それぞ れが、それぞれの活動の経験に基づいて、それぞれのやり方で記録 を残し、最終的に「震災・活動記録室」の方に委託したいと考えて います。そのために、記録活動を始めた有志が、情報やアイディア の交換、協力のために、二週に一度のペースで集まっています。 まだまだ試行錯誤の段階ですが、是非、私たちと一緒にやっていき ませんか。詳しくは下記までご連絡下さい。 内山史子(震災被災者を支える東京連絡会) 事務所 03-3813-6584 自宅 03-3949-0040 ---------------------------------------------- −資料の紹介(6月20日現在)− 記録室では、現在も、お寄せいただいた資料の整理を続けています。 6月20日現在で、ボランティア団体を中心に、約150団体、400点以 上の資料が集まっていますが、その数はさらに増加しそうな勢いとなっ ています。 提供いただいた資料は、実際の活動中に現場で使用したものと、活動 の記録や報告などをまとめて整理したものとの、2種類に大別できるよ うです。 現場での資料としては、日誌などの記録、ボランティア参加者に配布 されたマニュアル類、かわら版やニュースレターなどの刊行物、募金や ボランティアの依頼書、などがあります。手書きのノートをコピーした ものや、手作りの情報地図、炊き出しのレシピなど、実に多様なものが あります。 分量的には、整理された資料が、全体の3分の2以上を占めています。 個人の体験記や感想、提言書、団体の活動報告書、活動の経過を時間を 追って整理した記録、などが主となっています。こちらも、個人の生々 しい体験や感想から、ボランティア参加人数の日別グラフなど数字をま とめたものまで、様々な形式でまとめられています。 あまりにも多様、かつ膨大な資料のため、決して容易な作業ではあり ませんが、ボランティアの貴重な体験を残し伝えるべく、インタビュー 活動の成果ともあわせて、報告書などの形での発信を予定しています。 ご協力いただいた数多くの方々に、心より感謝いたします。今後とも、 記録室の活動にご支援、ご協力くださいますよう、よろしくお願いしま す。 (データ管理班:八ツ塚 一郎) −ひと<人>こと− 朝日ボランティア基地 石田 易司さん 京都府出身 非常におおらかで優しい笑顔と、しっかりとした信念の持ち主の石田 さん。大学時代からボランティア活動を日常の一部としてやってこられ た「ベテラン」です。その後、高校教員を10カ月間やりましたが、朝 日新聞の厚生文化事業団の仕事に魅力を感じて事業団に入社しました。 今回の震災後は「朝日ボランティア基地」を数名の仲間と結成して1 月21日から活動を開始しました。アウトドア経験もあったので、寝袋 を持ち込んで寝泊まりすることには慣れていたのです。 若いメンバーの中にあって、リーダー的存在だった石田さんは、すで に活動を開始している団体の邪魔にならないよう、逆にそういった活動 を支えることができるように苦労します。メンバーも、最初は10人し かおらず、一度は働きすぎて軽度の燃え尽き症候群にもなったのですが、 仲間に支えられて乗り越えてきました。 そういった中で、2月18日から、週に1回の割合で「勉強会」を開 くようになりました。この勉強会を通して、新しく活動するボランティ アに対してのガイダンスをしたり、ノウハウや悩みを出し合うことが出 来るようになったのです。また、勉強会に専門家を呼ぶようになってか らは、メンバーも増え、そのメンバーの視野も広がっていきました。そ れ以上に、石田さん自身も、この勉強会を通して元気づけられたのです。 以後、朝日ボランティア基地としては、「くらしの便利帳」という仮 設住宅に入った方々に使っていただけるような地図や情報を載せた冊子 を作るなど、他の団体ができていなかったことを中心に「穴」ができな いように気をつけながら活動してきました。 「朝日ボランティア基地」は6月末で活動を終了しますが、石田さん は「今後は後方支援として、助成金などの形でボランティアに援助をし ていきたい」と語ってくれました。 −ボランティア団体紹介− 最近「インターネット」や「ニフティーサーブ」などという言葉がボ ランティア活動を通して広まってきていますが、今回はその「インター ネット」を使ったボランティア団体を紹介致します。 ワールドNGOネットワーク(WNN) World NGO Network (WNN) とは, 職業的NGO/NPO団体の情報化やネットワーク化 を支援するために,Internet を始めとする電子メディア上のメール, メイリン グ・リスト,ネットニュース, WWWなどを有効利用するという側面から支援活動 を行っている, 情報系のボランティア・グループです. この活動は,主としてInternet上の協力参加者によって推進されています。形式 上は,このような活動に理解を持ってくださった関連企業と大阪大学の有志教官 とのボランタリーな一つの共同研究プロジェクトとして推進されています。渉外 ・管理責任者は下條真司(大阪大学大型計算機センター,情報工学科),代表は 水野義之(大阪大学,物理学)となっています.当面の活動期間は1996年3 月まで.95年6月までの活動拠点は,大阪YMCA(国際・社会奉仕センター), 西宮YMCA(教育センター),神戸の地元NGO救援連絡会議の3ヶ所でした. 連絡先は ngo@center.osaka-u.ac.jp,広報URLは http://www.osaka-u.ac.jp/ の中に,取り敢えず入れさせていただいています。 発足は95年2月1日。最初は阪神・淡路大震災の後の復興ボランティア活動に おいて,長期的な観点から,今後の情報化のニーズがある団体を,Mac+Internet の設備により側面から支援することから始めました.これは今回の震災において、 情報網の欠如やNGO/NPO団体における情報化の遅れが,ボランティアによる初期 作業においても非効率性をもたらし、柔軟な対応が行なえなかったとする反省に 基づいています. 長年の経験を持つ民間の職業的NGO/NPO団体は,現地活動を通じて各種のノウハウ を蓄積しています。一方,インターネットの利用者達によって,広範囲で自主的 な情報網構築のノウハウが蓄積されています.そこで我々は,今回の大震災の 反省に基づいて,これらのNGO/NPO団体の現場での活動に,広域コンピュータ ネットワークの利用を相補的に連携させることによって,何か新しい形態のボラ ンティア活動を生み出すことができると考えました。 このような活動の長期的な意義として想定できるのは,まず第一に,市民, 地域社会,行政,専門家,そしてNGO/NPO団体の,相互の間の情報の流れを, 必要に応じて円滑にするために,その一助となることです.また第二に今 後の防災活動の一環として,災害時における広域ネットワークの利用方法 の開発研究を行う事です. 海外においては,ODA で例えば学校を建てるまでが行政の仕事であり,教育を 行うのは海外NGO団体の仕事となっています.そのように,被災地区におい ても,例えば仮設住宅を建てるまで(パソコンを配るまで)が行政の仕事であり, そのあとを長期にわたって使い易いように整備に協力し,それを生活に適切に 活かせるようにしていくのが,職業的NGO/NPO団体の仕事だと言えます。 長期的には,他の地域や相補的な専門性を持った数多くのNGO/NPO団体とも 協力する必要があるでしょう。今後はこのような共同作業や広域組織化等の 問題が,課題の一つとなると考えています. 今後の技術や社会の動きにも目を配りながらも,我々が日常的に利用している Internet等の情報技術の特性を,地震後の迅速な支援活動や,これからの地域 社会,市民活動の発展等にも生かして行ければ,と考えています。(文責:水野) −今週の記録室− 今週の記録室は、一方でサハリンへの物資援助のための準備で多忙を極めた ため、専任スタッフが2名も実務から離れていましたが、その一方で、インタ ビューに出かけたり新しい協力者にめぐり会えたりと、対外的に積極的な活動 が出来ました。 インタビューとしては、今回の「ひと<人>こと」欄にも掲載させて頂きま したが、朝日ボランティア基地へお邪魔したり、六甲鶴寿園や鷹取中学へのイ ンタビューを継続して行ったり、東京へ出向いた者が、SVA(曹洞宗国際ボラン ティア会)やVCOM(インターVネット)、楽々(らくらく:子供のケアのボラン ティア)などの方々に話を聞かせて頂きました。 また、新しい協力者として、各界からの提言を中心に集めておられる方や、 仮設住宅や避難所ですぐにでも使えるようなノウハウ、マニュアルなどを中心 に集めていきたいという方にお会いできました。 それから、震災関連書籍も次第に集めつつあるのですが、今週は1984年 9月に長野県木曽郡王滝村を襲った「長野県西部地震」の貴重な記録を頂きま した。このような資料も参考にして、今後はしっかりとまとめていくつもりです。 −Information〜情報の広場〜− ・「賢治の学校」 第3号−<特集>地震からの気づき− を販売しています。 詳しくは、賢治の学校 神戸センター 丸岡 隆 〒658 神戸市灘区住吉山手8丁目20-12 蓬莱マンション202 Tel/Fax : 078-842-5257 まで ・公開学習会 「ミニコミと震災報道」PART2 〜学生よ、夏休みは書を捨てて神戸へ行こう〜 (ボランティアは震災にどう対処したか、発行ミニコミを通して検証する) 日時:7月15日(土) 午後2時30分から 場所:住民図書館(総武線東中野下車徒歩10分) 新宿区北新宿4-31-2-401 参加費:500円 講師:「震災被災者を支える東京連絡会」 問い合わせ:住民図書館 Tel/Fax : 03-3361-4060 ***************************************************** 阪神大震災地元NGO救援連絡会議 「震災・活動記録室」 〒650 神戸市中央区栄町通4-3-5 毎日新聞神戸ビル3F Tel. 078-362-5951 Fax. 078-362-5957 Internet:ngoteam@mb.osaka.infoweb.or.jp Nifty-Serve:SHB00846 Url:http://www.center.osaka-u.ac.jp/people/wnn/www-kobe/index-jp.html *****************************************************