テキスト・エディタはプログラミングとコンテンツ制作のためのパワフルなツールです. 大学院にいるとき指導教官の和田先生や和田研究室のひとたちから TECO をはじめとするテキスト・エディタがもつ “ちから” をおそわりました. 私自身は TECO をつかうことはありませんでしたが,それにかわって普及した Emacs をいまも プログラム編集にはつねにつかっています.
まだ Emacs をしらなかったときのことでいが, BATE というエディタをつくったことがあります. Apple II のためのエディタです. Apple II で Basic プログラムを編集するためのしかけはもちろんありますが,それに満足することができずにつくったものです.
自分の Web ページをもつようになってからは,Emacs で HTML のテキストを編集してきました. HTML エディタが普及してきてからも,あいかわらず Emacs をつかってきましたが,そのひとつの理由は HTML エディタが出力する必要以上に複雑な HTML テキストにがまんがならないからでした. こうやって奮闘してきたさまは 「リンク集の残骸」 にも書いています. プログラムを書くのに IDE (Integrated Development Environment) をつかわないのもおなじ理由ですが,これについてはまたべつの機会に書くことにします.
それでもついに自分の Web サイトを管理するツールとしては Emacs を基本的には放棄して, Movable Type を導入しました. Emacs をなんにでも,どこからでもつかえるようにするのは困難ですし,Emacs のパワーがつねに必要なわけではないからです. それでもプログラミングにはこれからも Emacs をつかいつづけるつもりですし, Web ページの編集にも必要に応じて Emacs をつかっています. Web のインタフェースとしてはいまは Internet Explorer や Firefox などの Web ブラウザをつかうほかはありませんが,Emacs や Macintosh などの GUI から退化した部分はいずれおぎなわれるのではないかとおもいます.