新書という,かぎられたスペースのなかで,生い立ち,北朝鮮問題や靖国問題もふくむ外交,少子化,教育など,さまざまな問題をとりあげている. そのため,それぞれをきちんと論証するゆとりがなく,誤解するひとがでてくるのはやむをえない. しかし,この文章は,安倍 晋三 という政治家のゆるぎない信念や自信がその行間にまで,つまっている感じがする. 私は著者と同世代といってもよいが,著者とはちがってサヨクにさんざんふりまわされたはてに,いまは外交・教育などについては著者と比較的ちかいかんがえにたどりついたが,著者はその祖父や父の影響もあって,サヨクにふりまわされることなく自分のかんがえをふかめてきている. このストレートさがこれから安倍首相をどちらにみちびいていくのか,期待と不安とをもって,みまもりたい. それから,この本のなかでひとつ私の注意をひいた話は,帝国主義への反動から自虐的な歴史教育がおこなわれたのは日本だけでなくイギリスでもそうであり,サッチャーがそれをかえさせたということである.
評価: ★★★★☆
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注記: 作成日付は BK1 の 書評に投稿した日付になっています. Amazon.co.jp の 書評 に投稿しています.
追記:
書評とは関係がありませんが,さまざまな不祥事に “ストレート” に打たれつづけた安倍首相は 2007 年 9 月,臨時国会のさなかに辞任することになりました.
ストレートさが裏目にでたということでしょう.
「再チャレンジ」 して経験をつみ,つよさを身につけてもらいたいとおもいます.