武満 徹 は私がもっともすきな作曲家のひとりです. 武満の晩年の作品つまり 1980~1990 年代の作品のおおくも魅力的です. “円熟” ということばがふさわしいとおもいます. しかし,どれをきいてもおなじようなひびきがするともおもえます. 1970 年代以前の作品にはより実験的なものがおおいのですが,それゆえ,それぞれが個性的であり,多様さという点では晩年の作品にまさっているとおもわれます.
私が最初に買った武満の LP には,「アステリズム」,「グリーン」,「弦楽のためのレクイエム」 といった曲がはいっていました. これらもそれぞれ個性的にきこえました. それ以降,「ノベンバー・ステップス」,「カシオペア」,「鳥は星形の庭に降りる」 などなど,さまざまな曲をきいてきました. ここにはオーケストラ曲をならべましたが,室内楽作品もあらかた,きいてきました.
1980 年代にはいって,「海へ」 や 「ドリームタイム」 をきいて,そこに武満のあたらしいスタイルを感じました. しかし,それ以降は非常にあたらしいスタイルをきいた気がしません. すでにきいたひびきだからその音楽があたらしくないということにはならないのですが,やはり,すこしものたりない気がしてならないのです.
2007-10-21, 2009-9-28 追記:
「カシオペア」 は残念ながら現在は CD で入手することは困難なようです
(ただし,アマゾンで中古商品なら入手できるかもしれません: 「カシオペア」).
「アステリズム」,「グリーン」,「ノベンバー・ステップス」 に関しては BMG の
BVCC-37626,
「ノベンバー・ステップス」 に関してはほかにコロムビアの COCO70608
,「鳥は星形の庭に降りる」 と 「ドリームタイム」 に関しては Naxos の 8557760J
が安価で入手しやすいとおもいます.