古書をめったに買うことがなかった私は,ここ数年,買う本の半数以上を古書にたよるようになりました. この革命的なできごとをもたらしたのは,ほかでもない Amazon.com です. 新刊書も Amazon で買うことがおおいのですが,それゆえ,古書もここで買うことがおおいわけです.
近所にも古書店はありますし,神田にいけばさまざまな本をあつかう古書店があることはずっとまえから,しっていました. それでも,古書はめったに買うことがありませんでした. それは,新刊書ならば大書店にいけばほしいものがだいたい手にはいるのにくらべて,ひとつの古書店ではほしい本のほんの一部しか手に入れることができないからです. ほしい本が他の書店にあるかどうかしらべて,とりよせてもらうことはできるでしょう. しかし,いまほしいから書店に本を買いにいくわけです. すぐには手にはいらないし,おなじ書店にふたたびでかけていかなければならないのなら,よほど安価でないかぎり,またはすでに廃刊になっているのでないかぎり,古書を選択する気にはなりません.
この状況を根本的にかえたのが Amazon です. Amazon で本を買うときは,あたらしい本を買うのか,ふるい本を買うのかを最初にきめる必要はありません. 自分がほしい本をまず検索してから,それが新刊なのか古書なのか,どちらがどれだけ安価なのかをみて,どちらかを選択すればよいわけです. もちろん,古書ならばほとんどのばあい送料が 1 冊ごとにかかるということもかんがえて選択します.
Amazon が話題になるとき,古書のあつかいが話題になることはすくないとおもいますが,これは long tail に匹敵する革命的なできごとだとおもわれます.