マランツ (Marantz) のグラフィック・イコライザー EQ-10 は,それまで高価だったグラフィック・イコライザーを安価に提供しました. 可聴帯域を 10 個にわけて,それぞれを +10 dB から ‒10 dB の範囲で調整することができます. 私はこれをおもにヘッドフォンで音をきくときに周波数特性を補正するためにつかってきました. 中学生のころからマランツの高級アンプの音をきいたりしてはいましたが,EQ-10 は私が最初に買ったマランツ製品でもあります. 私の記憶によれば 27000 円くらいでした.
2 チャンネル・ステレオなどのスピーカーによって再生するための音源をそのままヘッドフォンにいれると,かならずしも適切な周波数特性がえられません. 現在ではディジタル・フィルタつきのヘッドフォンをつかうことでもっともよく補正することができますし,受動的なヘッドフォンでも聴感補正特性をもつものがふえています. しかし,1980 年代に EQ-10 を買ったときには,ヘッドフォンには平坦な特性のものがおおかったのです. そのため,本来より高音がつよくなりすぎて,音量をあげてきくと耳によくないようにおもわれました. そこで EQ-10 をつかって補正をこころみたわけです. 計測にもとづいて補正したわけではないのでただしく補正されていたかどうかはまったくわかりませんが,HRTF (Head-Related Transfer Function, 頭部伝達関数) の例を参考にして,それにあわせるようにしました.
EQ-10
家にはもう 1 台,グラフィック・イコライザーがあります. それは Technics SH-8017 という輸出仕様のものです. 左右独立に調整できるかわりに,分割数は 7 であり,EQ-10 よりはあらくなっています. SH-8017 はアメリカで買ったものですが,結局,あまりつかわないままになっています. 日本にかえってからつかおうとしましたが,音をよごすような感じがして,やめました. 値段は 99 ドルくらいではなかったかとおもいます.
SH-8017