かつての日本では,つまり電電公社では,ながらく 「黒電話」 とよばれるダイヤル式の電話器がつかわれてきました. 私も黒電話をつかってきましたが,黒電話は借用品だったため,現在はてもとにありません. しかし,ダイヤル式の末期 (1987 年) に買ったクリーム色のダイヤル電話器をいまでもつかっています.
電話交換機をつかっている家庭はほとんどないとおもいますが,わが家では高千穂の家庭用小型交換機 (“ホームテレホンプロセッサー”) HP-104 に 3 台の電話器をつないでつかってきました. そのうちの 1 台としてこのダイアル電話器をつかっています. 最近では携帯電話だけですますひともおおいわけですが,この電話器は,携帯電話の軽さと対照的なずっしりした受話器をそなえています. おもさに関してはこれが最適というわけではないでしょうが,形状に関してはながい歴史のなかで最適化されてきたものであるはずです. 携帯電話はそれをすっかりこわしてしまいました. 携帯電話だけでなく,固定電話でもコスト重視やデザイン重視で使用感のよくない電話器がおおくなってしまったなかで,この電話器をつかいつづけることにも意味があるのではないかとおもっています.
P. S. この写真から電話番号をよみとることができますが,これはいまわが家でつかっている番号とはなんの関係もありませんので,ご注意.