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徒歩による海外旅行のたのしみとリスク ― パリ編 ―

ヨーロッパにしろアメリカにしろオーストラリアにしろ,都市の旧市街だけをとってみれば,徒歩で十分まわれるのが普通です. パリもそういうまちのひとつです. 私が最初に海外にでたのは,1987 年のフランスです. 学会出張であり,目的地はサン・マロでした. もっとも印象的だったのはモン・サン・ミシェルだったといってよい (それについても機会があれば書きたい) のですが,パリももちろん,いろいろおもしろかったとおもいます. そのときの旅行記は PC9801 のファイルのかたちで,どこかにねむっているはずなので,いずれほりおこしたいとおもっていますが,ここではとりあえず,いまおもいだせる徒歩観光について書いてみたいとおもいます.

ドゴール空港からのバスは凱旋門のそばにとまります. そこからホテルまでいくのに,メトロをつかいました. いまは切符は自動販売機で買いますが,当時はまだ自動販売機がありませんでした. 私はフランス語はまったくだめなので,このとき私は英語だけで通そうと決意していました. ところが,ここでは英語はまったく通じませんでした. 身振り手振りでやっているうちに,相手が小銭をだせといっていることがわかりましたが,あいにく,フランスについたばかりなので,小銭はほとんどもっていません. 相手もついにあきらめて,釣り銭をだしました. もっているのなら,もっとはやくだせばよいのに…

このときとまったホテルはルーブルに比較的ちかいところにある 「モンタボー」 というホテルでした. チサンが買いとってまもなかったのだと記憶しています. 近年そこにいってみると,室料はずっとたかくなっていて,いまそこにとまろうとはおもいません. しかし,当時は中級 (☆☆☆) でした. (いま Web でみるとホテルのなまえは Plaza Vendome Hotel にかわり,よつぼしになっているようです.)

ホテルから東にあるけば,まだピラミッドがなかったルーブルや,ポンピドー・センターにいくことができました. ルーブルがすばらしいことはいうまでもないのですが,ポンピドー・センターも私のすきな場所のひとつです. ピカソをはじめ,私のすきないろいろな 20 世紀の絵画があります. セーヌをわたれば,ノートルダムがあり,さらにいけばオルセーもありますが,このときはオルセーにはいきませんでした.

ヨーロッパのまちをあるいているときによくおこったことのひとつは,ひとから道をきかれたことです. このときフランスのつぎにいったロンドンではイギリス人から道をきかれましたが,パリでは日本人からオペラの場所をきかれました. まだオペラに行ってはいなかったのですが,場所は知っていたのでおしえてあげました.

ホテルから西にあるけば,シャンゼリゼにでます.ずっとあるいていくと,凱旋門に達します. その後も何回かパリに行きましたが,凱旋門のさきにはまだいったことがありません. したがって,いわゆる 「新凱旋門」 もみたことがありません. 凱旋門のなかにも,まだはいったことがありません.

エッフェル塔となると,なかなかあるいてはいけません. ここにはメトロでいきました. 展望台にはサンドイッチ・ショップがありましたが,サンドイッチといっても,おおきなフランスパンにちょっとだけハムなどをはさんだものです. フランスパンを半分にきったものをたのみましたが,それでもおおきかった. 私は 1988 年から 1 年半アメリカでくらすことになり,たべられる量もふえたのですが,このときはまだこの半分のサンドイッチを全部たべることができませんでした.

はじめての欧米だったこともあって,私にはパリは非常に印象的かつ魅力的でした. とはいえ,こうして書いていると,パリではあまり 「ひと」 にまつわる話がないことに気づきます. バンコクではまちあるきの途中で何人ものひとと話をしました. ロンドンでも,すくなくとも当時はそうでした. しかし,パリではメトロの切符売りと道をきいた日本人くらいしかおもいつきません.

キーワード: 海外旅行, 海外出張, 楽しみ, 出会い, まちあるき, 町歩き

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