買いものをするとき,よく楽天をつかっていますが,その理由は私がかつて研究していた 「軸づけ検索」 と関係があるようにおもいます. もしかすると,そこに 「軸づけ検索」 を普及させるためのヒントがあるかもしれないので,すこしかんがえてみることにします.
楽天で買いものをするおもな理由は,キーワードをいれると品物が価格でソートできることです. 価格の範囲をきめてソートして,安価な順にみていきます. ところが,これはまさに 「軸づけ検索」 における数量検索の機能にほかなりません. 数量検索において単位として 「円」 を選択し,範囲をきめて検索すれば,ちょうどこのような検索結果をえることができます. あとは,検索範囲,適合率・再現率や価格情報の精度の問題です. 楽天の検索は特定の目的に最適化されているので,検索範囲をうまく指定することができ,精度もたかくなっているのは当然のことです.
10 年以上まえ,PriceWeb という Web サイトがありました. これは,E コマース関連の Web ページのなかから,ほしい商品をやすい価格で売っているところをみつけるためのサイトでした. PriceWeb じたいはきえてしまいましたが,いまでも類似の Web サイトは存在しているものとおもわれます. このような Web サイトがはやらなかった理由は,検索範囲をうまく指定したり,たかい精度を実現することができなかったからだとおもわれます.
一方,検索データを自動的につくるのでなく,もっと手をかけているのが kakaku.com です. 検索できる範囲はかぎられますが,調査した範囲にかぎれば,精度はほぼ 100% にすることができます. また,kakaku.com では口コミができるようにしたことが成功の要因です.
「軸づけ検索」 の研究をはじめるまえに,E コマース・サイトの検索エンジンをつくることをかんがえていました. 検索結果を 「商店街」 のようなかたちでみることができるものでした. 以前,アルマジロという Web サイトがありましたが,それが私がかんがえていたのと比較的ちかいものでした. 結局,百科事典検索というテーマが浮上したため,このアイディアはためさないまま,おわってしまいました. 楽天とはことなるビジネスモデルが必要ですが,いくつかの方法があるようにおもいます.
こうしてかんがえてくると,「軸づけ検索」 を成功にみちびくヒントがいろいろ,あるようにおもえます. さらに,かんがえてみたいとおもいます.