レジ袋のむだをへらすため,有料化が検討され,“マイバッグ” をもっていくことが奨励されようとしています (たとえば 「レジ袋削減キャンペーン実施中」). 有料化によってむだをへらそうというのはけっこうなことですし,“マイバッグ” をもつのがよいとかんがえるひとはそうすればよいでしょう. しかし,コンビニにいくとき,いちいち “マイバッグ” をもっていきたいとおもうひとがどれだけいるでしょうか? 私は “マイバッグ” をもつのではなくて,レジ袋をくりかえしつかうようにしています.
レジ袋のむだをへらそうといううごきは,レジ袋をゼロにするのが目的ではなくて,むだをへらすのが目的です. それならば,レジ袋をくりかえしつかうようにすればよいとおもいます. 私は出退勤時や仕事で移動するときにはいつもバッグ (“マイバッグ” ではなくて仕事用のバッグ) をもっているので,そのなかにレジ袋をいれてあります. コンビニにいったらその袋を店員にわたして,買ったものをそれにいれてもらいます. 店員に “マイバッグ” をわたしたら困惑されるでしょうが,レジ袋なら,たいていはなにもいわずにそれに品物をいれてくれます. 自分でいれる手間ははぶけますし,レジに滞在する時間もへって,私も店員も時間を節約することができるとおもいます. 店員に他店のレジ袋をわたすのはちょっと気がひけますが,最近のレジ袋は店のなまえがあまりめだたないようになっているので,問題はないでしょう.
私はスーパーで買いものをすることはまれなので,いまのところスーパーではレジ袋をもらっていますが,もちろんスーパーにいくときもおなじようにすることができます. ただし,スーパーでは 2 袋以上の買いものをすることがおおいので,レジ袋を 2 枚以上もっていく必要があります. それでも,“マイバッグ” をひとつもっていくより,ずっとかさばらないでしょう. ハンドバッグのなかにも,十分にはいるはずです.
レジ袋という特別の構造をもったポリ袋がこれだけひろくつかわれるようになったのには,わけがあるのです. 「ごみっと・SUN 45 号」 にはつぎのように書かれています (情報源は毎日新聞のようです).
70 年代後半には,丈夫で使い易く紙袋よりコストが安いことから,多くのスーパーで使用されるようになり,レジ袋はわずかな間で私たちの生活に定着していきました.」
“マイバッグ” をつかうのとどちらが節約になるでしょうか? 環境負荷を計算するのはむずかしいので,コストを計算してみます. レジ袋は有料化で 5 円くらいのねだんがつけられるようなので,それで計算してみます. “マイバッグ” のねだんは,どういうバッグをつかうかにもよりますが,たとえば 2000 円としてみましょう. ひとつの “マイバッグ” はどれだけつかえるでしょうか? たとえば 3 年間 (1095 日間) つかうとして毎日 1 回コンビニにいくとしたら,1 回あたり約 2 円かかることになります. 一方,5 円のレジ袋 1 枚を 30 回つかうとすると 1 日あたり約 0.2 円ですみます. 3 年間ならば 37 袋,185 円かかることになります. “マイバッグ” よりずっとやすくすみます. たぶん環境負荷も “マイバッグ” よりすくないとかんがえられます. まだ環境負荷がおおきすぎるというのであれば,使用回数をふやすことは十分に可能です. 私はいま 1 枚の袋を数ヶ月間つかっています.
米国ではレジ袋の使用を禁じるうごきがひろがっているそうです (2007 年 8 月 27 日 日本経済新聞). とんでもない “かんちがい” だと私はおもいます.
追記 (2007-10-28):
武田 邦彦 は 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか 2」 のなかで“マイバッグ” によって石油消費がふえることを指摘しています.
追記 (2007-11-19):
レジ袋削減への疑問をのべているブログをみつけました.
「スーパーマーケットのマイバッグ推進のねらいは?」.