櫻井よしこがすぐれたジャーナリストであるのはまちがいないだろう. しかし,この本では私怨に目をくもらされているとおもわざるをえない. 猪瀬直樹の強引さは猪瀬の著書を読んでもあきらかだし,櫻井に対して攻撃的だったこともたしかだろう. しかし,猪瀬が 「名誉欲」 で民営化委員をしていたというような記述には根拠がなく,生産的とはおもえない個人攻撃がくりかえされている. 猪瀬の個人攻撃をするのでなく,どのように民営化がだめにされていったのかを冷徹にとらえれば,もっと価値ある本になったのではないだろうか.
評価: ★☆☆☆☆
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追記: この本だけで猪瀬という人物を判断するのは危険だろう. 猪瀬の著書 「道路の権力」 のほうが迫力があることはまちがいない.
2008-12-14 追記: 単行本には 「権力の道化」 という,あまりに露骨なタイトルがつけられている. 文庫版では 「改革の虚像」 という,よりおとなしいタイトルになっているのは,良識をうたがわれないようにしたかったのだろうか?
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キーワード: 民営化