非日常的な行為には危険がともなうことがおおいとかんがえられます. ここでは,まつり,スポーツ大会などの競技会,ジェットコースターのような遊園地ののりもののそれぞれについて,非日常的な行為と危険・スリルとの関係をかんがえてみることにします.
このブログのなかで何度も書いていますが,非日常性ということばからすぐに連想されるのは 「まつり」 です. まつりはとくに現代においては安全性に注意をはらいながらおこなわれていますが,それでもときどき事故がおこっています. とくに,諏訪大社の御柱祭りはしばしば死者をだすほどの危険をともなっています.
さまざまな競技会においては,死者やけが人がでることがあります. とくにカーレースにはおおきな危険があり,ときどき事故で死者がでることがあります. スポーツのなかではボクシングはかなり危険なものであり,選手が死亡したり致命的な傷を負うことがしばしばおこります. それをのぞけばスポーツ大会は通常はそれほど危険なものだとはかんがえられませんが,それでもときどき,競走に参加して体調を悪化させた参加者が死亡する事故がおこります.
遊園地はまつりやスポーツより安全だとかんがえられますが,それでも,のりもので事故がおこることがあり,死者をだすことがあります. 最近では,2007 年 5 月 5 日のエキスポランドでのジェットコースター 「風神雷神 2」 での死亡事故,2007 年 6 月 30 日中国安徽省合肥市逍遙津公園におけるジェットコースターの脱線・死亡事故,2007 年 8 月 13 日の韓国釜山市における移動式テーマパーク 「ワールドカーニバル」 における観覧車からの落下・死亡事故などがあります. きわめて多数ある遊園地のなかのいくつかの事故なので,事故にあう確率はたかいとはいえませんが,たてつづけに事故が発生して不安をかりたてたということができます.
遊園地ののりものは安全対策をかさねているのでほとんどのばあいは安全ですが,ジェットコースターなどに人気があるのは危険を演出している,つまりスリルがあるからにほかなりません. つまり,実際はそれほど危険でないのに,危険に対する人間の動物的な感覚を利用して危険を演出しているわけです. ジェットコースターにかぎらず,非日常的な行為における危険についてかんがえるとき,実際の危険とこのような演出された危険とをわけてかんがえる必要があるでしょう.