遊園地にはある程度の非日常性があります. ジェットコースターのようなのりものによる体験は非日常的なものです. 非日常の代表として 「まつり」 がありますが,遊園地にはまつりのようなイベントではありません. つまり,まつりが年に 1 回だけひらかれるのに対して,遊園地にはいつでもいけます. このような,日常 (いわゆる 「ケ」) とまつりのようなつよい非日常 (「ハレ」) とのあいだにある,よわい非日常性が遊園地の特質であるようにおもわれます.
ジェットコースターの体験についてもうすこし分析してみましょう. ジェットコースターにはいつでものれるとはいうものの,ジェットコースターは連続的に出発するわけではありません. 出発時刻は離散的です. つまり,数分ごとに出発します. そこにも多少のイベント性をみることはできるようにおもわれます.
また,乗客は数分に 1 回の機会を待ち,ジェットコースターをほかの乗客とともに共体験します. この 「共体験」 というのもイベントがもつべき属性であり,それが遊園地での体験にイベント性をあたえているようにおもわれます. 遊園地ののりもののなかには 1~3 人でのるものもあり,ジェットコースターのように 10 人以上でのるものもあります. このちがいがなにをうみだしているのか,分析してみるとよさそうです. (なお,写真は 「がんばれ奈良ドリームランド」 から借用しました.)