おおきなイベントはいろいろな波及効果をもっています. 1964 年の東京オリンピックが日本とくに東京のインフラにおおきな影響をあたえたことはよく知られています. 東海道新幹線,首都高速,いくつかの競技場など,さまざまなインフラが整備されました. これらのインフラほどではないでしょうが,音楽も影響をうけたようにおもいます. また,1970 年の大阪万博も音楽的にインパクトをもっていたようにおもいます.
東京オリンピックのころ,電子音楽やミュージック・コンクレートとよばれる音楽が,(一部の音楽家だけのものではあるにしても) よくつくられていました. 客観的にみたときにこれらが東京オリンピックとどれだけの関係をもっていたのか私にはよくわかりませんが,すくなくとも私の記憶のなかでは両者はつよくむすびついています.
大阪万博では西ドイツ館に現代音楽作曲家のシュトックハウゼンがいて,電子音楽のコンサートをひらいていました. 当時の私はシュトックハウゼンの音楽に興味をもっていて,それをなまできく機会がえられたということは歓迎すべきことでした (感激したとまではいえませんが). (写真は http://www.stockhausen.org/osaka.html から借用したものです.)
多分に個人的な経験・印象にかかわることではありますが,これは 20 世紀のイベントと音楽とくに電子音楽との関係の一端です.