人生にしろ,ビジネスにしろ,「あきらめないのが成功の秘訣」 ということはよくいわれます. あきらめれば,そのとたんに成功のチャンスはうしなわれる. あきらめずに継続すれば,また努力すれば,成功するチャンスはある,というわけです. しかし,あきらめないことは単に成功のチャンスをふやすだけではないとかんがえられます. あきらめずに継続し,努力しているあいだは,つよい挫折感を感じずにすみます. 挫折感は不幸につながるでしょう. 反対に挫折感がなければ,それだけ幸福だということになるでしょう. つまり,あきらめないことがたとえ成功につながらないとしても,幸福につながるということです.
あきらめないということは,夢をもちつづける,自分がすすむべき道をもちつづけるということです. 夢や進路をもてば,それは充実感,そして幸福感につながります. 私自身は,ふりかえってみると仕事のうえでは失敗つづきの人生だったとおもっていますが,まだ成功のチャンスがあると信じています. それゆえ,これからも挑戦をつづけていくつもりですし,よい精神状態を維持しています. 1990 年代以来,ひとびとのこころのなかに閉塞感があるということがよく指摘されます. しかしそれは,夢をもち,すすむべき方向をみいだしている私には無縁です.
どうすればあきらめずに挑戦していけるかということに関しては,さまざまな本で語られています. 比較的最近,私が読んだ本のなかでは,中村 天風 のいくつかの本 (宇野 千代 著 「天風先生座談」 (廣済堂文庫,1987) や 池田 光 著 「中村天風 ― 自分に 「奇跡」 を起こせ!」 (三笠書房, 1996)) や,チャーリーン・ベリッツ, メグ・ランドストロム 著 「パワー・オブ・フロー」 があります. ほかにもおおくの本のなかにヒントがあるとおもいます.