著者は,ことなる立場にたちつつも真剣に道路公団の民営化にむきあってきた 7 人の民営化委員のうちのひとりだった. 民営化委員のひとりが作家の猪瀬直樹であり,この本のなかで,国交省や道路族と通じていたとしてするどく批判されている. 結局,著者は民営化委員としての立場や委員のあるべきすがたにこだわったのに対して,猪瀬は民営化委員としての立場をこえて (越権して),田中のことばによれば “フィクサー作家” としてぎりぎりまで自分や小泉首相のかんがえを民営化に反映させようとしたことが,両者をこれだけ対立させたのだとかんがえられる. 私には妥協をいとわず最後までたたかった猪瀬の本 「道路の決着」 のほうが迫力があるように感じられる.
評価: ★★★☆☆
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キーワード: 民営化