もうだいぶまえのことになってしまいましたが,2005 年の年末から 1 年間のあいだに,仕事で中国の杭州に 3 回ほどいきました. おもしろいものはいろいろありましたが,テレビもそのひとつでした. もっとホットなうちに書けばいろいろ書けたかもしれませんが,いまでも印象にのこっていることをかきとめておこうとおもいます.
ホテルでテレビをみてまずおどろいたのが,そのチャンネルのおおさです. 人口がおおいので地域ごとにテレビ局ができるのは当然ですし,それを通信網にのせて,ひろい範囲で放送するのも,現代においては当然でしょう. しかし,中央電視台つまり北京の放送局から各地に (衛星を通じて) 10 数チャンネル (いったときにかぞえたら 11 でしたが,Wikipedia (ウィキペディア) の項目をみると 16 チャンネルあることになっています) の放送がおくられています. このうえに,当然,地元をはじめ他のテレビ局の放送もあるわけです.
中央電視台の放送は,チャンネルごとに総合,経済,芸術,映画など,だいたいの分野がきめられています. 日本でも NHK は全国放送が基本なので,地方でも中央電視台がみられることは,そんなにおどろくようなことではないかもしれません. しかし,NHK が寡占批判をあびていることをかんがえると,それよりずっとチャンネルがおおい中央電視台はすごいとおもいました.
もうひとつおもしろかったのは,CM です. 日本では CM の価格がたかいため,大手の企業でなければなかなかテレビに CM をいれることはできません. しかし,中国ではさまざまなちいさな企業が CM をいれています. CM の数も非常に多数です. すっかり資本主義化してしまった中国ですが,社会主義的な思想から小規模のビジネスにもチャンスをあたえる意図があるのだろうかとおもいました. CM のためにつかわれる時間の合計も,はかってはみませんでしたが,日本よりながいようです. CM 1 本あたりの時間も,最近の日本ではだいたい 30 秒ですが,もっとみじかいものが大半でした. 日本ほど CM 製作にカネをつぎこんでいないのでしょうから,質もあまりたかいとはいえませんが,百家争鳴のありさまは注意をひきつけられます.
とはいっても,残念ながら私には中国語がわからないので,だいたいの雰囲気や漢字から内容を判断するしかありません. それでも,たいていの CM には商品が登場します. 電気製品やバイクなどの CM もいろいろあったと記憶していますが,くすりの CM がめだっているようにおもいました.