オーストリアにあるシェーンベルク・センターがアルノルト・シェーンベルク (Arnold Schönberg) の作品の演奏など数 10 のビデオを YouTube (ユーチューブ) にアップロードしています. 演奏のほとんどは断片ですが,みじかい曲のなかには全曲おさめられたものもあります. ホルスト・シュタインの指揮,ヘルマン・プライの語り (シュプレヒ・ゲザング) による 「ワルシャワの生き残り」 のビデオはきくにあたいします. 演奏だけでなく録音や映像も比較的よく,演奏をひきたてています.
「ワルシャワの生き残り」 はナチがつくったワルシャワのゲットーにいれられ,もうすこしで殺されるところだった男がきいた声をえがいています. ナチの軍人のはげしいことばや (ユダヤ人は) 「みな死んだ」 というようなことばがくりかえされたあと,音楽はクライマックスに達し,ユダヤ人たちの荘厳な合唱でとじられます. この曲は 12 音技法によって書かれていますが,それが非常に効果的につかわれています.
私が中学 3 年のとき (1972 年 (?)) から CBS Sony (シービーエス・ソニー,現在は SME (ソニー・ミュージック・エンターテイメント)) がシェーンベルク全集というシリーズの LP を発売しました. 私はちょうどそのころシェーンベルクに興味をもったところだったので,この全集をそろえましたが,そのなかにこの曲がありました. 戦争の世紀ともいわれる 20 世紀を代表する音楽のひとつといってよいでしょう.
シェーンベルク・センターはほかに 「オーケストラの小品 Op. 16」 や 「室内交響曲第 1 番」 もアップロードしていますが,これらは中途半端なところできられています. 全曲がはいっているわけではないのですが,サンプルにしてはながいのです. 不可解です.