テレビ番組のメタデータをつくりつづけているエム・データという会社があるそうですが,視聴者をたのしませてくれるのはこういうまじめなメタデータではなくて,むしろ 「集合知」 的なやりかたでつくられるメタデータなのではないでしょうか?
佐々木 俊尚 は 「TV 2.0 への道のり」 (「番組検索のカギ握るメタデータ作成 -- 家電メーカー,放送局も顧客に」) のなかでつぎのように書いています.
実は、放送局のメタデータへの取り組みはきわめて遅れている. しかしその代わりに,膨大なメタデータを所有,提供している企業が実は日本国内には 1 社だけ存在している. 社名を「株式会社 エム・データ」という. 一般にはほとんど知られていない企業だが,しかしこの企業の持っている価値はきわめて高い.
エム・データの設立は 2006 年 1 月と新しいが,母体となった株式会社プロジェクトは 1987 年というインターネット普及前に設立された企業である. [後略]
エム・データはまじめなメタデータをつくりつづけていて,佐々木が書いているようにその価値はたかいでしょう. しかし,たとえばニコニコ動画のコメントのように視聴者をおもしろがらせるのが目的であれば,もっとちがう種類のメタデータがもとめられるでしょう. また,エム・データのメタデータは番組が終了してからだいぶ時間がたたなければつかえないとおもわれます. 番組を録画するとしてももっとはやく,あるいはばあいによっては実時間でメタデータがもとめられるときには,まにあいません.
Web 2.0 的 (というよりも佐々木のブログ・タイトルのように TV 2.0 的) なしかけによってメタデータをつくるべき理由がここにあるとかんがえられます.