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コメントとコンテンツとの境界はどこに? ― ニコニコ動画の世界

ニコニコ動画ではひとがつくった動画のうえにコメントをかきこむことができます. 「ニコニコ動画を見て」 では,かきこまれた文字がときには 「コメント」 というより 「コンテンツ」 になり,パロディとなったりしていると書きました. そして,コメントなのかコンテンツなのかがあいまいな例をひきました. これは,ニコニコ動画ではコメントとコンテンツのあいだに境界がないということを意味しています.

nikoniko.jpg コメントはメタデータだとかんがえることができます. ということは,ニコニコ動画においては,通常は明確に区別されているデータとメタデータとのあいだに境界がないということです. メタデータがデータになったり,またメタデータになったりすることができます. たとえば,最初はコメントとして意味のある文字列だったものが,なにかをかたちづくったり,動画にあわせておどりだすことによって,文字としての意味よりも,画像と一体化した 「絵」 になることができます. ニコニコ動画のおもしろさの理由がこのあたりにもあるのではないでしょうか?

2007-10-4 追記:
ニコニコ動画 関係者ブログ」 (昔話その3 (2007年08月15日 17:06)) にはつぎのように書いてあります.

われわれはこの時点でこのサービスの成功のポイントは、2ちゃんねるの実況板のような臨場感を生むことであると予想しており、そのためにはコメントの内容自体はわりとどうでもよくて、映像の面白いポイントで、みんなが一斉にコメントすると一挙にコメントがスクロールして流れるという光景をどうやって実現するかが重要だと考えていました。
また,関係者ブログ (昔話その3 (2007年08月15日 17:06)) にはつぎのように書いてあります.
われわれはニコニコ動画を動画とコメントを一緒になって楽しむサービスとして設計しています。 コメントにふくまれる情報だけじゃなく、コメントがいくつもあわさってつくりだされる感情や雰囲気をひとつの作品として楽しんでいただきたいと思っています。 それが素敵なものだったとしたら、それでいいじゃないですか。
つまり,開発者の意図はコメントをコンテンツにすることだったといえるでしょう.

注 (2010-8-12 追記): 写真は借用したものであり,写真からもとのサイトへのリンクがはってあります.

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