会社の勤務時間がフレックスになってから,ひさしい. いつもつかっているので,かえってその効果はよくわからなくなっていました. ところが,おもわぬ理由で 1 カ月間フレックスをつかわないことになりました. まだフレックスを中止してほんの数日ですが,すでに,その効果がちいさくないことがわかってきました.
フレックスをつかわないことによるあきらかな変化は,はやおきしなければならなくなるということです. 私のばあいはまだ 30 分程度なので,それはたいしたことはありません. 8 時半までに着かなければ … と気があせることはありますが,それをのぞけばとくに問題になることはありませんでした.
これまで,通勤を楽にすることを名分として 30 分おそく通勤してきましたが,ほんとうにそれだけの効果があるのかはよくわかっていませんでした. とくに,ためしてみないと体感としてどうなのかはわかりません. しかし,30 分はやく通勤してみると,たしかに電車もバスも混雑していて,なかなか席にすわることはできません. 9 時をめざして通勤すると,バスでも電車でもたぶん 7~8 割くらいはすわれます. しかし,30 分はやくすると,3 割以下になってしまうようです. (正確にどうなのか,はかってみたいとおもいます.) すわることができない,しかも混雑しているので自由な姿勢で立つことがむずかしいということは,やはりストレスになります. ただしこれは,もうすぐおりそうなひとをさがして,そのちかくにいくようにすれば,ちがってくるかもしれません.
また,駅や道路のこみぐあいも,もちろんちがいます. 自由に歩けないことは,やはりストレスにつながります.
フレックスをつかわないということは,8 時半までに会社についていればよいということなので,もちろん,通勤時刻をもっとはやくすることは可能です. そうすれば,ラッシュをさけることができます. しかし,30 分ずらすことは家族とかんたんに調整できたのに対して,もっと時刻をはやめるのは容易でないとおもいます. とくに,朝,こどもと顔をあわせることができなくなるのはあまりよくないとおもいます. したがって,ラッシュをさけるためにさらにはやめるのは適切でないとおもいます.
というわけで,フレックスタイムはおもったとおり,あるいはそれ以上に有効にはたらいていたということがわかりました.
2007-10-31 追記:
ついにフレックスをつかわない 1 カ月がおわりました.
この 1 カ月のあいだに 16 日,朝,バスと電車ですわれたかどうかを記録してきました.
出張などでいつもの時刻いつもの場所にいかなかった日はのぞいてあります.
すわれた確率はバスでは 16%,電車では 44% でした.
ただし,最初からすわれた日は 1 回すわれたと勘定し,途中からすわれた日は 0.5 回すわれたと勘定しています.
バスは予想よりひくく,電車は予想よりたかい結果でした.
いずれもフレックス使用時よりはさがっているとはおもうのですが,フレックス使用時の客観的なデータがないので,比較できません.
これから 1 カ月,フレックス使用時のデータをとってみようとおもいます.
2007-12-4 追記:
フレックス使用時のデータもとりおわったので,両方のデータを比較してみます.
- フレックス非使用時のバスの着席率: 平均値 0.16, 標準偏差 0.30.
- フレックス非使用時の電車の着席率: 平均値 0.44, 標準偏差 0.31.
- フレックス使用時のバスの着席率: 平均値 0.50, 標準偏差 0.40.
- フレックス使用時の電車の着席率: 平均値 0.82, 標準偏差 0.30.
途中ですわれたばあいは常に 0.5 回すわれたことにしたので,標準偏差がおおきくなってしまったとおもわれますが,差があることはほぼ確実です. ただし,パスの着席率は予測した 7 割よりはひくくでています. この 1 カ月間は比較的,混雑したパスにのってしまったようにおもいます. (計算に使用したエクセル・シートをここにおきます (2007-12-11).)
2007-10-5 追記:
フレックスタイムによる会社の利点や労働者全体への効果などについてはよく指摘されていますが,フレックスタイムが適用された個人の意見や感想はネットでもあまり指摘されていないようにみえます.
Gooble で検索してみると,つぎのような記述がみつかりました
(「次世代育成支援にフレックスタイム制」 (小俣和生事務所)).
幸運なことに、勤めていた会社がフレックス。 おかげで朝は、時差通勤が可能だったんです。 あまり混んでいない、時間帯選んで電車の中、 座らず、眠らず、猛勉強。 一心不乱、約1時間。 時間のない勤め人受験生は、会計理論や税法条文の学習を、 机の前でやらないのです。
また,個人の意見や感想に関することではありませんが,2005 年 6 月 17 日の読売新聞にはパク・ジョアン・スックチャが海外と日本とのフレックスのつかいかたのちがいをつぎのようにえがいています.
海外ではワーク・ライフ・バランス(仕事と私生活の共存)を向上するために導入され、一般的に社員は朝早く来て夕方早く帰るために利用している。 なぜなら社会人講座を受ける、ジムへ行く、家族と夕食を共にするなど、平日は夕方が私生活を充実させる時間帯だからだ。
しかし日本ではほとんどの場合朝遅く出社して夜遅くまで働くために利用され、ワーク・ライフ・バランスの向上のためには使われていないのが実情だ。 自分の時間を確保したい、という意欲が強ければ、効果的に働き、短時間で良い成果を達成することは可能なのだが……。 諸外国でフレックスタイムが導入された後、大多数の社員が遅く出社するために使う、というケースは聞いたことがない。
2007-10-10 追記:
会社にいくとき,2 ~ 3 日に 1 度はコンビニでお茶を買っていきます.
きょうコンビニにいって気づいたのは,9 時まえにいくよりもずっと混雑しているということです.
9 時まえにいけば列ができていることはめったにありませんが,きょうは私のまえに 3 人ならんでいました.
フレックスをつかうことによってコンビニの買物も楽になっているということを発見したわけです.